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シリーズ「歴史を伝える」 特集陳列「暦と干支」

  • 『年中花壇 江戸時代・19世紀写 徳川宗敬氏寄贈』の画像

    年中花壇 江戸時代・19世紀写 徳川宗敬氏寄贈

    本館 16室
    2011年1月2日(日) ~ 2011年1月30日(日)

      暦(こよみ)は人類が時間の単位として体系化してきたものですが、為政者にとって「時」を支配することがす なわち国土を支配するのと同じであるとして、各時代や国家によって様々な暦が定められてきました。現在世界で広く通用している暦は太陽暦の一つであるグレ ゴリオ暦ですが、イスラム暦やユダヤ暦、仏暦といった諸宗教に基づく暦もまた息づいています。

      日本は9世紀に唐の「宣明暦(せんみょうれき)」を輸入して以後、伝統的に中国の暦を採用し、それは江戸時代前期に暦学者・天文学者の渋川春海(しぶか わはるみ)が「貞享暦(じょうきょうれき)」を作成するまで1200年以上も続きました。貞享暦は中国・元時代の「授時暦(じゅじれき)」を基とした太陰 暦で、明治5年(1872)が新政府によってグレゴリオ暦採用されるまで用いられました。

      また暦は干支(えと)や陰陽道などと密接に関わりながら、暦学・暦道・暦占といった固有の学問を発達させ人々の生活を規定しました。本陳列では、代表的な暦を紹介するとともに、祭礼や農業・地震に特化された変り暦、さらに意匠をこらした暦などを陳列します。

主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
浮世絵版画 明治四十四年絵暦 小林清親筆 明治43年(1910)
具注暦 鎌倉時代・延慶2年(1309)
日本長暦 渋川春海編 江戸時代・延宝5年(1677)