本館 14室
2009年6月2日(火) ~ 2009年8月23日(日)
平安時代初めに空海(くうかい)・最澄(さいちょう)らによってもたらされた密教は、奈良時代までの仏教とは 異なる独特の用具を使用しました。その用具は密教法具(みっきょうほうぐ)と呼ばれ、密教工芸の重要な分野をなすものです。平安時代から鎌倉時代には密教 隆盛にともない、多くの優品が作られました。密教の教えの中心を占めるのはさまざまな加持祈祷(かじきとう)をおこなう修法で、その際に用いられる法具 は、その独特な造形から霊験あらたかな力を持つものと信じられました。
密教法具の多くは古代インドの武器から転化したと考えられ、金剛杵(こんごうしょ)や輪宝(りんぽう)・羯磨(かつま)は鋭い突起や刃を持っています。 それは煩悩(ぼんのう)の敵をのぞくことを象徴しています。また、金剛鈴(こんごうれい)はその音によって仏菩薩(ぶつぼさつ)を喜ばせ、人々の眠れる仏 性を覚醒させるという意味付けをされています。独特な形の法具を用い、ほの暗い堂内で行なわれる修法の雰囲気は、往時の人々にとって、まさに神秘そのもの であったにちがいありません。この特集陳列を通して、密教工芸の神秘的な形をご鑑賞ください。
密教法具の多くは古代インドの武器から転化したと考えられ、金剛杵(こんごうしょ)や輪宝(りんぽう)・羯磨(かつま)は鋭い突起や刃を持っています。 それは煩悩(ぼんのう)の敵をのぞくことを象徴しています。また、金剛鈴(こんごうれい)はその音によって仏菩薩(ぶつぼさつ)を喜ばせ、人々の眠れる仏 性を覚醒させるという意味付けをされています。独特な形の法具を用い、ほの暗い堂内で行なわれる修法の雰囲気は、往時の人々にとって、まさに神秘そのもの であったにちがいありません。この特集陳列を通して、密教工芸の神秘的な形をご鑑賞ください。