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祈りの中の染と織

  • 『重要文化財 繍仏 阿弥陀三尊来迎図 鎌倉時代・13~14世紀 滋賀・寶嚴寺蔵 (2005年11月8日(火)から)』の画像

    重要文化財 繍仏 阿弥陀三尊来迎図 鎌倉時代・13~14世紀 滋賀・寶嚴寺蔵 (2005年11月8日(火)から)

    本館 14室
    2005年9月27日(火) ~ 2005年12月11日(日)

     仏教が興隆した飛鳥時代、寺院では仏画の代わりに刺繍(ししゅう)された仏の像をまつっていたといわれ、中宮寺の天寿国繍帳(てんじゅこくしゅうちょう)に当時がしのばれます。鎌倉時代になると、念仏(ねんぶつ)を唱えれば極楽浄土へいけるという阿弥陀仏の信仰が流行り、阿弥陀来迎図を刺繍した掛幅(かけふく)がたくさん寺院に奉納されました。お釈迦様の螺髪(らほつ)や図中の経文は、糸の替わりに施主自身の髪で繍(ぬ)い表され、仏身へ近づきたいと願う、信仰篤い人々の祈りが切々と伝わってきます。寺院にあふれる幡(ばん)や袈裟(けさ)といった染織の多くも、信者のお布施によるものです。刺繍の細やかな手わざ、草木染による柔らかな色彩、丹念に織り出された模様は、祈りを象(かたど)ることの意味を現代人に優しく語りかけてきます。

主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
重要文化財 繍仏(しゅうぶつ) 阿弥陀三尊来迎図 鎌倉時代・13~14世紀 滋賀・寶嚴寺蔵 (2005年11月8日(火)から)
国宝 天寿国繍帳 残欠 鎌倉時代・13世紀 奈良・中宮寺蔵 (2005年11月6日(日)まで)