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おひなさまと日本の人形

  • 『古今雛末吉石舟作 江戸時代・文政10年(1827) 山本米子氏寄贈』の画像

    古今雛
    末吉石舟作 江戸時代・文政10年(1827) 山本米子氏寄贈

    本館 14室
    2025年2月18日(火) ~ 2025年3月23日(日)

    3月3日は桃の節句。雛飾りの華やかさに心が和む、おひなさまの季節です。
    罪や穢れを人形に託して水に流した古代の風習や、平安貴族の子どもたちが季節を問わず小さな人形で遊んだ「ひいな遊び」などから、ひな祭りへ発展したと考えられています。江戸時代に入る頃には、3月3日に女の子のためにおひなさまを飾る風習が定着し、やがて華やかな衣裳や調度品にあふれた雛飾りが広まりました。
    形代として災厄を幼児から払うためにつくられた、おひなさまのルーツとも呼べる天児や這子に加え、山車人形の制作技術を応用し写実的につくられた、古今雛の名品を展示します。本作は古今雛を大成した二代原舟月の弟子である、末吉石舟の作品です。そのほか朝廷や公家で愛好され、その名がつけられたとされる御所人形、「浮世人形」とも呼ばれ、江戸時代の風俗を伝える衣裳人形、そして子供たちが衣裳を着替えさせて遊んだ三折れ人形などを展示いたします。
    日本では多様な人形文化が発達し、高度な技術をもつ職人たちの手によってすぐれた人形が多く制作されました。かわいらしいものを尊ぶ、日本の美意識を感じていただければ幸いです。

主な出品作品

(注)所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。

松竹梅文蒔絵雛道具鏡台 江戸時代・19世紀

古今雛 末吉石舟作 江戸時代・文政10年(1827) 山本米子氏寄贈

天児 江戸時代・19世紀

御所人形 明治時代・19世紀 尾竹越堂氏寄贈

三折れ人形 江戸時代・19世紀