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特集 おひなさまと日本の人形

  • 『台付機巧 輪舞人形茗荷屋半右衛門・川合谷五郎正真作江戸時代・正徳3年(1713)』の画像

    台付機巧 輪舞人形
    茗荷屋半右衛門・川合谷五郎正真作
    江戸時代・正徳3年(1713)

    本館 14室
    2023年2月28日(火) ~ 2023年3月19日(日)

    3月3日は桃の節句。雛飾りの華やかさに心が和む、おひなさまの季節です。罪や穢れを人形に託して水に流した古代の風習や、平安貴族の子どもたちが行った「ひいな遊び」などが、ひな祭りに発展したと考えられています。祈りを託し、時に一緒に遊ぶという人形のあり方は江戸時代に引き継がれ、女の子のためにおひなさまを飾る行事が全国的に定着しました。今年は江戸の豪農の家に伝わった古今雛の名品のほか、江戸時代に製作された多様な雛人形と雛道具の数々を展示します。一緒に展示する地方の特色あふれる素朴な雛の数々には、豪華な内裏雛とは違った手作りのぬくもりがあります。また、当館所蔵の機巧や、祇園祭の山鉾の1つをそのままに写した船鉾人形などをひさしぶりにご覧いただくこととしました。日本では、諸外国に例がないほど多彩な人形文化が発達し、確かな技術をもつ職人たちの手によって、芸術的にも完成度の高い人形が、武家や公家ばかりではなく庶民の間でも広く愛されました。これら人形の数々を通して、繊細で美しく、そして可愛らしいものを尊ぶ日本の美意識を感じていただければ幸いです

主な出品作品

(注)所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。

紫檀象牙細工蒔絵雛道具 紫檀製重箪笥 江戸時代・嘉永3年(1850)頃 三谷てい

古今雛 日比谷家伝来 江戸時代・安政7年(1860) 個人蔵

台付機巧 輪舞人形 茗荷屋半右衛門・川合谷五郎正真作 江戸時代・正徳3年(1713)

船鉾人形 江戸時代・19世紀