このページの本文へ移動

未来の国宝―東京国立博物館 書画の逸品―

  • 『市川鰕蔵の暫(碓井荒太郎貞光)歌川国政筆 江戸時代・寛政8年(1796)』の画像

    市川鰕蔵の暫(碓井荒太郎貞光)
    歌川国政筆 江戸時代・寛政8年(1796)

    本館 2室
    2022年10月25日(火) ~ 2022年11月20日(日)

    東京国立博物館は、令和4年(2022)に創立150年を迎えました。この150年の歴史のなかで収集された文化財のなかには、国指定の国宝や重要文化財となっていなくとも素晴らしい作品が数多く収蔵されています。
    「150年後、もしくはその先の未来、この国宝室にはどのような作品が展示されているのだろう」。
    こういった問いかけから、今年度は「未来の国宝―東京国立博物館 書画の逸品―」というテーマで展示を行なうことにしました。私たち研究員が選び抜いたイチ押しの作品を「未来の国宝」と銘打って、年間を通じてご紹介していくという試みです。
    数万件に及ぶ絵画、書跡、歴史資料のなかから選び抜いた、東京国立博物館コレクションの「逸品」をどうぞご堪能下さい。

     

    年間の展示予定

     

     

    市川鰕蔵の暫(碓井荒太郎貞光)
    歌川国政筆
    江戸時代・寛政8年(1796)

     

    寛政 8(1796)年 11 月に都座で催された顔見世「清和二代遨源氏」の一場面で、荒々しく豪快な演目である「暫」に取材した作品です。歌舞伎役者の市川鰕蔵(五代目市川團十郎・1741 ~ 1806)が、鬼退治で知られる頼光四天王のひとり、荒太郎貞光(あらたろうさだみつ)を演じ、見栄をきった一瞬を真横からクローズアップして描いています。
    素襖の袖には團十郎の定紋である三升、鬘の白い力紙などはほぼ直線であらわされ、顔の赤い筋隈などの曲線との対比が際立っています。限られた色数で画面を彩り、色の組み合わせと濃淡によって、画面に立体感と動きを生み出す木版画の特性を見事に生かした、同時代の役者絵のなかでも傑出した作品といえるでしょう。
    作者の歌川国政(1773 ~ 1810)は会津(福島県)出身の染色職人でしたが、芝居好きが高じて、人気浮世絵師であった歌川豊国(1769 ~ 1825)に弟子入りし、主に役者の似顔絵を描くようになりました。国政は役者の特徴を生かしながら線と色面を大胆に構成して、独特な感性をみせる作品を数多く描いています。

     

主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
市川鰕蔵の暫(碓井荒太郎貞光) 歌川国政筆 江戸時代・寛政8年(1796)