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おひなさまと日本の人形

  • 『立雛(次郎左衛門頭)江戸時代・18~19世紀』の画像

    立雛(次郎左衛門頭)
    江戸時代・18~19世紀

    本館 14室
    2022年2月22日(火) ~ 2022年3月21日(月・祝)

    3月3日は桃の節句。華やかで楽しいおひなさまの季節です。おひなさまの歴史は、罪や穢(けが)れを託して水に流した古代のヒトガタや、平安貴族の子どもたちが行った「ひいな遊び」に遡ります。祈りを託し、時に一緒に遊ぶという人形のあり方は江戸時代に引き継がれ、女の子のためにおひなさまを飾る風習が全国に定着しました。

    今年は江戸を代表する豪商の三谷(みたにけ)家に伝来した牙首雛(げくびびな)とその御殿や、山本家伝来の古今雛(こきんびな)を中心として、江戸時代に製作された多様な雛人形と雛道具の数々を展示します。

    また日本の人形文化を代表する例として、御所人形の名品もご覧いただきます。御所人形とは、宮中を中心として好まれた幼児姿の人形です。白い絵具である胡粉(こふん)を塗り重ねて磨きだした肌はつややかで、その姿は健康的でまるまるとした幼児の目出度さを見事に造形化しています。

    我が国は諸外国に例がないほど多彩な人形文化が発達し、芸術的にも完成度の高い人形が広く享受されてきました。これら人形の名品を通じ、繊細で美しく、可愛らしいものを尊ぶ日本の美意識を感じて頂ければ幸いです。

    担当研究員の一言

    トーハクを代表するお人形の名品が大集合です!!
 主な出品作品
*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
 主な出品作品
*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
古今雛 末吉石舟作 江戸時代・文政10年(1827) 山本米子氏寄贈
立雛(次郎左衛門頭) 江戸時代・18~19世紀
御所人形 江戸時代・19世紀
牙首雛 江戸時代・嘉永3年(1850)頃 三谷てい氏寄贈
紫宸殿(雛用御殿) 江戸時代・嘉永3年(1850)頃 三谷てい氏寄贈