本館 特別1室
2018年3月13日(火) ~ 2018年4月8日(日)
当館では、文化財の公開と保存を両立し、未来へと伝えるために、保存修復事業を行っています。その根幹である、臨床保存の理念には3つの柱があります。その柱とは、展示や収蔵を行う環境を整備する「予防」、文化財の状態および展示室や収蔵庫の環境に関する「診断」、文化財の状況に応じた「修理」の3つです。修理は文化財の折れの緩和や剝落(はくらく)止めなどの応急的な対症(たいしょう)修理から、解体を伴う抜本的な本格修理まで様々です。
この特集では、近年修理を終えた作品を展示し、それぞれの修理のポイントや工程、その過程で得られた情報もあわせて紹介することで、当館の保存修復事業の一端をご覧いただきます。18回目を迎えた今回は、絵画、陶磁、刀剣、染織、考古、の分野から本格修理を行った15件、民族資料、染織から対症修理を行った2件、計17件の文化財を展示します。
この特集が、文化財の公開と保存に携わる当館の取り組みや、文化財の修理を寄せ、さらに文化財とその背後にある文化や歴史に思いを馳せていただくきっかけとなれば幸いです。
展示作品の修理に関わった個人・機関などは次のとおりです。
飛鳥工房、国宝修理装潢師連盟関東支部、(株)小西美術工藝社、澤田むつ代、(株)護、㈱松鶴堂、奈良文化財研究所、文化財修復工房 明舎、繭山隆司、米倉乙世(敬称略、五十音順)
東京国立博物館保存修復課保存修復室アソシエイトフェロー
野中昭美、平河智恵(現:(株)修美)、下田純平(現:(株)半田九清堂)