平成館 考古展示室
2018年1月2日(火) ~ 2018年3月4日(日)
和歌山市の紀ノ川河口部には、国の特別史跡である岩橋千塚古墳群が立地します。この古墳群は3㎞四方におよび、4世紀から7世紀にかけて造られた総数約850 基の古墳が分布する、日本最大規模のものです。
大日山35号墳は、岩橋千塚古墳群の西端にある大日山の山頂にある6世紀前半の古墳です。全長105mの、和歌山県下最大級の前方後円墳です。東西の造出からは埴輪群が良好な状態で発見されています。翼を広げた鳥形埴輪、ふたつの顔を持つ両面人物埴輪、矢を入れ腰につける胡籙の形をした埴輪など、他に例のない独特な形象埴輪が出土する一方、近畿地方の大王墓と共通する埴輪も発見されていることが特徴です。
古墳時代には紀ノ川河口部は良好な港であり、朝鮮半島と交流を深めた地域として著名です。大日山70号墳では朝鮮半島から伝わった陶質土器や鍛冶道具が出土しており、岩橋千塚古墳群出土品からも朝鮮半島との関係がうかがえます。
本特集は、平成29年度文化庁考古資料相互貸借事業によるもので、和歌山県立紀伊風土記の丘が所蔵する作品を中心に紹介します。