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特別展「仁和寺と御室派のみほとけ ― 天平と真言密教の名宝 ―」

  • 『国宝 阿弥陀如来坐像 平安時代・仁和4年(888) 京都・仁和寺蔵』の画像

    国宝 阿弥陀如来坐像 平安時代・仁和4年(888) 京都・仁和寺蔵

    平成館 特別展示室
    2018年1月16日(火) ~ 2018年3月11日(日)

    御室桜で知られる仁和寺は、光孝(こうこう)天皇が仁和2年(886)に建立を発願し、次代の宇多天皇が仁和4年(888)に完成させた真言密教の寺院です。歴代天皇の厚い帰依を受けたことから、すぐれた絵画、書跡、彫刻、工芸品が伝わります。創建時の本尊である阿弥陀如来像(国宝)は、当時もっともすぐれた工房の作品です。また、高倉天皇宸翰消息(国宝)は皇室との深いかかわりを物語るものです。本展覧会では、仁和寺の寺宝のほか、仁和寺を総本山とする御室派寺院が所蔵する名宝の数々を一堂に紹介します。

    特別展「仁和寺と御室派のみほとけ ― 天平と真言密教の名宝 ―」は、金曜、土曜に加えて、3月4日(日)、3月6日(火)、3月7日(水)の3日間も21:00まで開館いたします(入館は20:30まで)。
    ※総合文化展(黒田記念館は除く)、「アラビアの道-サウジアラビア王国の至宝」も21:00まで開館いたします。

     

    展覧会のみどころ

    開催概要

2018年2月27日(火)、入場者が20万人に達しました。

2018年2月16日(金)、入場者が10万人に達しました。

1089ブログ「仁和寺と御室派のみほとけ ― 天平と真言密教の名宝 ―」 展覧会の見どころなどを紹介しています。

東京国立博物館 資料館 特別展「仁和寺と御室派のみほとけ ― 天平と真言密教の名宝 ―」関連図書コーナー設置

 

展覧会のみどころ

 

国宝 阿弥陀如来坐像  平安時代・仁和4年(888) 京都・仁和寺蔵

国宝 阿弥陀如来坐像(あみだにょらいざぞう)
平安時代・仁和4年(888) 京都・仁和寺蔵
(展示期間:通期展示)


宇多天皇が、父である光孝天皇の菩提を弔うために、仁和4年(888)に供養した仁和寺創建時の本尊。腹前で両手を重ね合わせる定印(じょういん)という手の形式は、制作年のはっきりしている日本の阿弥陀如来像のなかでは最も古い。平安時代中頃における阿弥陀信仰を考える上でも、この頃の造形を考える上でも、大変重要な像である。

 
国宝 千手観音菩薩坐像  奈良時代・8世紀 大阪・葛井寺蔵

国宝 千手観音菩薩坐像(せんじゅかんのんぼさつざぞう)
奈良時代・8世紀 大阪・葛井寺(ふじいでら)蔵
(展示期間:2018年2月14日(水)~3月11日(日))


西国33所第5番札所である葛井寺の本尊で、天平彫刻の最高傑作の1つ。優美な表情、均整の取れた体や衣の表現は、究極の天平美といえる。千手観音像は、40本の手で千手をあらわすのが一般的だが、本像は大手・小手あわせて1041本をもち、合掌した手を中心に千の手が広がる本像の表現は見事である。千本以上の手を持つ千手観音像は、本像しか確認されていない。

 

秘仏や本尊を含む仏像など66体が一堂に!

仁和寺創建当時の本尊・国宝「阿弥陀如来坐像および両脇侍立像」、秘仏・国宝「薬師如来坐像」など仁和寺が誇る仏像に加え、全国の御室派(おむろは)寺院の中から、葛井寺の国宝「千手観音菩薩坐像」、道明寺の国宝「十一面観音菩薩立像」、中山寺の重要文化財「馬頭観音菩薩坐像」、神呪寺の重要文化財「如意輪観音坐像」、雲辺寺の重要文化財「千手観音菩薩坐像」などの普段は公開されていない数多くの“秘仏”、さらに明通寺などの仏像ファン待望の名宝まで、合計66体を一堂に公開します。

仁和寺所蔵の国宝「三十帖冊子」、修理後初の全帖公開!

2014年度に修理が完了した、弘法大師空海ゆかりの国宝「三十帖冊子」を公開します。特に、1月16日(火)~28日(日)限定で全帖を一挙公開します(1月30日(火)~は2帖ずつ公開)。書のファンを魅了してやまない空海ゆかりの書を、全帖にわたりご覧いただきます。

仁和寺の観音堂を展示室に再現!

江戸時代の仁和寺再興期に再建され、僧侶の修行道場のため一般には非公開の観音堂を、展示室に再現します。実際に安置されている仏像33体に加え、壁画も高精細画像で再現し、仁和寺の僧侶により守り伝えられてきた観音堂の姿を体感いただきます。本展が観音堂改修工事を記念して開催されることにより実現した、特別な空間となります。

 

第1章 御室仁和寺の歴史
第2章 修法の世界
第3章 御室の宝蔵
第4章 仁和寺の江戸再興と観音堂
第5章 御室派のみほとけ

 

 

 

第1章 御室仁和寺の歴史

仁和寺は、光孝天皇(830-887)の発願により造営がはじまり、仁和4年(888)、宇多天皇(867-931)により創建されました。宇多天皇は譲位後に出家し、延喜4年(904)、仁和寺に御室(僧坊)を造営、隠棲します。その後、仁和寺は、宇多法皇の法流を受け継ぐべく歴代門跡は親王・法親王が相承し、御願寺(ごがんじ、皇室の私寺)として歴代天皇より崇敬されてきました。「御室」と称されてきた仁和寺の歴史を如実に物語るのが、国宝「高倉天皇宸翰消息」をはじめとする仁和寺に伝わる天皇直筆の書(宸翰<しんかん>)の数々です。その宸翰を中心に、歴代の肖像画や工芸品、古文書等により仁和寺の歴史をご覧いただきます。

 

宇多法皇像 京都・仁和寺蔵
 
宇多法皇像(うだほうおうぞう)
室町時代・15世紀
京都・仁和寺蔵
(展示期間:2月14日(水)~3月11日(日))

光孝天皇(こうこうてんのう、830-887)の遺志を引き継ぎ、仁和寺を創建した宇多天皇(867-931)の出家後の姿を描く。宇多法皇は仁和寺第一世として、とりわけ深い尊崇の念が奉げられてきた。右手に持つ倶利伽羅龍剣(くりからりゅうけん)は不動明王を象徴する持物であり、空理・金剛覚という法名を号した法皇が真言密教の行者であることを表わす。
 
国宝 薬師如来坐像 京都・仁和寺蔵
 
秘仏本尊
国宝 薬師如来坐像(やくしにょらいざぞう)
円勢・長円作
平安時代・康和5年(1103)
京都・仁和寺蔵
(展示期間:2月14日(水)~3月11日(日))

11世紀後半から12世紀前半にかけて活躍をした、当時を代表する仏師円勢(えんせい)とその子長円(ちょうえん)の作。仁和寺北院(きたいん)の本尊で、大御室・性信親王(おおおむろ・しょうしんしんのう)の念持仏(ねんじぶつ)であった薬師如来像が火災によりほとんど焼失してしまった後、すぐさま造り直されたのが本像である。白檀(びゃくだん)をきわめて精緻に彫刻し、木地に直接截金(きりかね)技法とよばれる金箔で細やかな文様をほどこした大変美しい作品。
 
国宝 高倉天皇宸翰消息 高倉天皇筆 平安時代・治承2年(1178) 京都・仁和寺蔵
国宝 高倉天皇宸翰消息(たかくらてんのうしんかんしょうそく)
高倉天皇筆
平安時代・治承2年(1178)
京都・仁和寺蔵
(展示期間:1月16日(火)~2月12日(月・休))

高倉天皇(1161-81)が、仁和寺第六世の守覚法親王(1150-1202)に宛てた消息。治承2年(1178)10月、中宮平徳子(ちゅうぐうたいらのとくし)の御産のために、守覚法親王(しゅかくほっしんのう)によって孔雀経法が行なわれた。11月12日に無事に皇子が生まれ、その悦びから高倉天皇が筆をとった。その宸翰に対する守覚法親王の返書も附として一緒に伝わっている。このときの孔雀経法の「次第」も仁和寺に残されており(重要文化財「密要鈔(みつようしょう)」のうち)、宸翰消息と返書、さらに古記録によりその様子を浮き彫りにすることができる貴重な歴史的遺品である。
 
国宝 宝相華迦陵頻伽蒔絵冊子箱 平安時代・10世紀 京都・仁和寺蔵
国宝 宝相華迦陵頻伽蒔絵冊子箱
      (ほうそうげかりょうびんがまきえさっしばこ)

平安時代・10世紀
京都・仁和寺蔵
(展示期間:2月14日(水)~3月11日(日))

三十帖冊子を納める箱で、蓋の中央にその旨が記される。麻布を漆で固める乾漆で作られていると考えられ、金銀の粉を淡く蒔いた地に研出蒔絵で文様が表わされている。人面の鳥である迦陵頻伽(かりょうびんが)や宝相華、飛雲や鳥などの配置は左右相称を基本としながらも流動的で華やかさに満ち、平安時代蒔絵の代表作として、ことに名高い。
 
国宝 三十帖冊子(さんじゅうじょうさっし) 空海ほか筆 平安時代・10世紀
国宝 三十帖冊子(さんじゅうじょうさっし)
空海ほか筆 平安時代・9世紀 京都・仁和寺蔵
(展示期間:通期展示(帖替あり)、1月16日(火)~28日(日)限定全帖公開)

弘法大師・空海(774-835)が、中国(唐)で書写して持ち帰った経典・儀軌類で、真言密教の秘書として大切に伝えられてきたもの。三十帖あることからこの名で呼ばれる。空海の自筆部分が十数帖確認され、空海と同じく平安時代の能書「三筆」の一人と称される橘逸勢(たちばなのはやなり)の書も含まれると考えられており、書道史上も重要なものである。

 

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第2章 修法の世界

密教には、仏の力によって現実世界にさまざまな影響を与える「修法(しゅほう)」という儀式があります。天変地異をはじめとした災いを除き、幸福をもたらすため、我が国では特に修法の力が密教に期待され、平安時代には国家的な行事として行なわれました。仁和寺は弘法大師空海(こうぼうだいしくうかい)を宗祖と仰ぎ、また、創建以来皇室との所縁が深いことから、修法にかかわる多くの名宝が伝えられています。本章では天皇の病気平癒や息子の誕生を願う孔雀経法の本尊である「孔雀明王(くじゃくみょうおう)像」や、仏舎利(ぶっしゃり)を納める容器である「金銅火焰宝珠型舎利塔(こんどうかえんほんじゅがたしゃりとう)」など、修法の場で用いられた仏画や法具を展観します。

 

国宝 孔雀明王像 京都・仁和寺蔵
国宝 孔雀明王像(くじゃくみょうおうぞう)
中国 北宋時代・10~11世紀
京都・仁和寺蔵
(展示期間:1月16日(火)~2月12日(月・休))

様々な災厄を払う密教修法・孔雀経法を修する際の本尊画像。仁和寺においては、歴代の門跡が鎮護国家など様々な祈りを込めて孔雀経法を修した。大きな孔雀に乗った明王の三面六臂(さんめんろっぴ、三つの顔に六つの腕)の姿は、経典には見られない特異な図様。現存作例の乏しい、中国・北宋で制作された仏画としても極めて重要な位置を占める。
 
重要文化財 金銅火焔宝珠形舎利塔  鎌倉時代・13世紀 京都・仁和寺蔵
重要文化財 金銅火焰宝珠形舎利塔
(こんどうかえんほうじゅがたしゃりとう)

鎌倉時代・13世紀
京都・仁和寺蔵
(展示期間:通期展示)

仏舎利を納める容器で、銅板を鍛造(たんぞう)して形作られた宝珠が蓮華台座上に安置される。ふっくらとした宝珠は台座に比べて大振りで、比較的小さな火焔も相まって、雄大な造形を見せている。台座の蓮弁は薄く繊細な作りで、八角形の框座(かまちざ)やその脚は宝相華唐草文で装飾される。宝珠には「錺屋長兵衛(かざりやちょうべえ)」の銘文があり、錺師(かざりし)の名を刻んだ最古例としても貴重。
 

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第3章 御室の宝蔵

承平元年(931)、仁和寺の御室にて宇多法皇が崩御するに際して、膨大な数の御物が仁和寺の管理下に移されます。これにより仁和寺の宝蔵(ほうぞう)が成立しました。以後、仁和寺の宝蔵は、御願寺(皇室の私寺)の宝蔵として厳重に管理され、火災や戦火に遭いながらも宝物は護られてきました。その中には国宝「医心方(いしんぽう)」など、中国・日本の医学史上において重要な史料も含まれています。また、仁和寺を総本山とする真言宗御室派の関係寺院にも、さまざまな寺宝が伝来しています。これまでまとまって紹介される機会がなかった仁和寺と御室派関係寺院に伝わる絵画・書跡・工芸の名品をご堪能いただきます。

 

重要文化財 僧形八幡神影向図 鎌倉時代・13世紀 京都・仁和寺蔵
 
重要文化財 僧形八幡神影向図(そうぎょうはちまんしんようごうず)
鎌倉時代・13世紀
京都・仁和寺蔵
(展示期間:1月16日(火)~2月12日(月・休))

ひざまずく二人の男臣の前に、僧侶の姿をした八幡の神が姿を現わした様子を描く画像。画面のなかばには人形(ひとがた)のようなものが表わされており、これは神の影とも、神そのものの姿とも言われている。現在、仁和寺境内北東に位置する九所明神(くしょみょうじん)にも、八幡神は第一座として祀られている。
 
彦火々出見尊絵 狩野種泰筆 江戸時代・17世紀 福井県・明通寺
巻6(部分) 撮影:武藤茂樹
彦火々出見尊絵(ひこほほでみのみことえ)
狩野種泰筆 江戸時代・17世紀 福井県・明通寺
(展示期間:通期展示(巻替あり))

海幸彦(うみさちひこ)と山幸彦(やまさちひこ)の古代神話に取材した絵巻。原本は平安時代末、後白河院(ごしらかわいん)の周辺で制作され、後に若狭(福井県)の古刹・明通寺に伝えられたと考えられている。本作は江戸時代初め、小浜(おばま)藩主酒井忠勝(さかいただかつ)が絵巻を召し上げた際に狩野派の絵師に命じて作らせた副本。物語の舞台である龍宮の様子などが活き活きと描かれている。

 

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第4章 仁和寺の江戸再興と観音堂

仁和寺観音堂
撮影:横山健蔵

創建以降、広大な寺域を誇った仁和寺の伽藍も、京都を戦場とした応仁の乱のさなかの応仁2年(1468)、ことごとく焼失してしまいます。その後、仁和寺の南に位置する双ヶ丘(ならびがおか)の真光院(しんこういん)で法脈は受け継がれますが、現在のような伽藍に再興されたのは江戸時代初期、覚深法親王(かくじんほっしんのう、1588-1648)の頃でした。寛永11年(1634)、覚深法親王は将軍徳川家光に働きかけ、仁和寺再興の援助を受けることに成功します。さらに、天皇の御所であった紫宸殿(ししんでん)、清涼殿(せいりょうでん)、常御殿(つねごてん)も移築され、堂舎に改築されました。皇室ゆかりの仁和寺ならではの特別の配慮と言えるでしょう。本章では江戸時代初期に再建された諸堂のうち、普段は非公開の観音堂の様相を33体の安置仏と壁画の高精細画像で再現するとともに、仁和寺の江戸再興にかかわる諸作を展観します。

 

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第5章 御室派のみほとけ

仁和寺は、今から1100年あまり前の平安時代に開創されましたが、それ以後の長い歴史のなかで、仁和寺と御室派諸寺院とはさまざまな縁が取り結ばれてきました。現在、御室派寺院は約790箇寺を数えますが、その縁には今となっては忘れられてしまったような両者の歴史がしっかりと刻みこまれています。本展覧会では、普段は公開されていない秘仏を含めて、全国各地の御室派寺院から貴重な仏像が数多く集まります。御室派の広がりによって実現した名品の饗宴をご堪能ください。

 

重要文化財 降三世明王立像 平安時代・11世紀 福井・明通寺蔵
重要文化財 降三世明王立像(ごうざんぜみょうおうりゅうぞう)
平安時代・11世紀
福井・明通寺蔵
(展示期間:通期展示)

像高が約250センチメートルにもおよぶ、国内でも比類のない降三世明王立像。若狭(福井県)の古刹として名高い明通寺(みょうつうじ)の本堂脇壇に安置されている。密教の尊格である降三世明王は不動明王を中心とする五大明王の一尊。顔は4面、手は8本、髪の毛は逆立った炎の形とする、迫力のある怪異な姿を見せる。
 
重要文化財 馬頭観音菩薩坐像 鎌倉時代・13世紀 福井・中山寺蔵
秘仏本尊
重要文化財 馬頭観音菩薩坐像(ばとうかんのんぼさつざぞう)
鎌倉時代・13世紀
福井・中山寺蔵
(展示期間:通期展示)

若狭から丹後、現在の福井県南西部から京都府北部にかけての日本海沿海部には、興味深いことに馬頭観音を本尊とする寺院が集中している。中山寺(なかやまでら)もその一つで、本像は鎌倉時代の名品として名高い。秘仏として伝えられ、鮮やかな彩色だけではなく、光背や台座も当初のものが残されている貴重な作例。
 
重要文化財 五智如来坐像 平安時代・12世紀 大阪・金剛寺蔵
写真提供:文化庁
重要文化財 五智如来坐像(ごちにょらいざぞう)
平安時代・12世紀
大阪・金剛寺蔵
(展示期間:通期展示)

大阪府河内長野市の古刹、天野山金剛寺(こんごうじ)の五仏堂に安置される。大日如来を中尊として、四方に阿閦(あしゅく)・宝生(ほうしょう)・阿弥陀・不空成就(ふくうじょうじゅ)の4如来が配され、平安時代の数少ない五智如來像の1つである。当寺は鳥羽天皇皇女の八条院(はちじょういん)の帰依(きえ)を得て真言僧阿観(あかん)が建立した寺で、草創期の治承4年(1180)頃の作とみられる。
 
国宝 十一面観音菩薩立像 平安時代・8~9世紀 大阪・道明寺蔵
秘仏本尊
国宝 十一面観音菩薩立像(じゅういちめんかんのんぼさつりゅうぞう)
平安時代・8~9世紀
大阪・道明寺蔵
(展示期間:通期展示)

古代氏族の土師氏の氏寺として創建された道明寺(どうみょうじ)の本尊。頭上にいただく仏面から体側に降ろした右手の指先、台座の蓮肉に至るまで一材から彫り出す一木彫像である。胸飾や瓔珞(ようらく)などの装身具もきわめて精緻に刻出しており、平安初期一木彫像のなかでも傑出した作例の一つとして知られている。
 
重要文化財 如意輪観音菩薩坐像 平安時代・10世紀 兵庫・神呪寺蔵
秘仏本尊
重要文化財 如意輪観音菩薩坐像(にょいりんかんのんぼさつざぞう
平安時代・10世紀
兵庫・神呪寺蔵
(展示期間:通期展示)

兵庫県西宮市のシンボル、六甲山系の甲山(かぶとやま)の中腹に所在する神呪寺(かんのうじ)の秘仏本尊で、古くより信仰を集めてきた。一木造(いちぼくづくり)で、細身の表現が特徴。制作は平安時代半ばにさかのぼる。如意輪観音像の古い例として重要な像である。毎年5月18日にのみ開扉(かいひ)される秘仏である。
 
重要文化財 千手観音菩薩坐像 平安時代・12世紀 徳島・雲辺寺蔵
秘仏本尊
重要文化財 千手観音菩薩坐像(せんじゅかんのんぼさつざぞう)
平安時代・12世紀
経尋作
徳島・雲辺寺蔵
(展示期間:通期展示)

四国遍路の難所の1つ、標高900メートルあまりの山地にある雲辺寺(うんぺんじ)の本尊。像内に書かれた銘文により勧進僧(かんじんそう)や仏師の名前などがわかる、平安時代後期12世紀の貴重な作品である。像内に書かれた願文には、さらに目のイラストと「目アゝラカニナシタマヘ」と記され、当時を生きた人の眼病平癒の切実な願いが吐露されており、実に興味深い。
 

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開催概要

会  期 2018年1月16日(火) ~3月11日(日)
会  場 東京国立博物館 平成館(上野公園)
開館時間 9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで)
(ただし、金曜・土曜は21:00まで開館)
特別展「仁和寺と御室派のみほとけ ― 天平と真言密教の名宝 ―」は、金曜、土曜に加えて、3月4日(日)、3月6日(火)、3月7日(水)の3日間も21:00まで開館いたします(入館は20:30まで)。
休 館 日 月曜日(ただし2月12日(月・休)は開館、2月13日(火)は休館)
観覧料金 一般1600円(1400円/1300円)、大学生1200円(1000円/900円)、高校生900円(700円/600円)
中学生以下無料
( )内は前売り/20名以上の団体料金
障がい者とその介護者一名は無料です。入館の際に障がい者手帳などをご提示ください。
前売券は、東京国立博物館正門チケット売場(窓口、開館日のみ、閉館の30分前まで)、展覧会公式サイト、ほか主要プレイガイドで、2017年11月1日(水)~2018年1月15日(月)まで販売。前売券の販売は終了しました。
「東京・ミュージアムぐるっとパス」で、当日券一般1600円を1500円(100円割引)でお求めいただけます。正門チケット売場(窓口)にてお申し出ください。
東京国立博物館キャンパスメンバーズ会員の学生の方は、当日券を1000円(200円割引)でお求めいただけます。正門チケット売場(窓口)にて、キャンパスメンバーズ会員の学生であることを申し出、学生証をご提示下さい。
本展観覧券で、会期中観覧日当日1回に限り、総合文化展(平常展)もご覧になれます。
交  通 JR上野駅公園口・鶯谷駅南口より徒歩10分
東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、千代田線根津駅、京成電鉄京成上野駅より徒歩15分
主  催 東京国立博物館、真言宗御室派総本山仁和寺、読売新聞社
特別協力 仁和会
協  力 サビア
協  賛 光村印刷
カタログ・音声ガイド 展覧会カタログ(2800円)は、平成館会場内、およびミュージアムショップにて販売しています。音声ガイド(日本語、英語、中国語、韓国語)は520円でご利用いただけます。
お問合せ 03-5777-8600 (ハローダイヤル)
展覧会情報サイト http://ninnaji2018.com/
展覧会公式サイトは会期終了時をもって終了いたしました。

 

関連事業

平成館 大講堂  2018年1月19日(金)   13:30~15:30 *開場は13:00を予定   受付終了
平成館 大講堂  2018年2月10日(土)   13:30~15:00 *開場は13:00を予定   受付終了
平成館 大講堂  2018年2月17日(土)   13:30~15:00 *開場は13:00を予定   受付終了