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幕府祈願所 霊雲寺の名宝

  • 『重要文化財 弥勒曼荼羅図(部分) 鎌倉時代・13世紀 東京・霊雲寺蔵 』の画像

    重要文化財 弥勒曼荼羅図(部分) 鎌倉時代・13世紀 東京・霊雲寺蔵

    本館 特別2室
    2017年4月25日(火) ~ 2017年6月4日(日)

    文京区湯島に立つ霊雲寺(れいうんじ)は、元禄4年(1691)覚彦浄厳(かくげんじょうごん、1639~1702)を開基とし、国家の安泰を祈る幕府の祈願所として創建された真言宗の寺院です。大阪の河内に生まれ、10歳で出家して33歳まで高野山に学んだ浄厳は、真言教学や梵字悉曇(ぼんじしったん、サンスクリット)学に関する多くの研究書を著す一方で、仏教徒としての戒律護持の大切さを説いて実践し、学徳兼備の清僧として世に知られました。51歳で江戸に出ると、5代将軍徳川綱吉や側用人柳沢吉保の帰依を受けて湯島に霊雲寺を開き、近世における戒律復興の一翼を担います。また、多くの庶民に灌頂、授戒を行ない、啓蒙のためにかな書きの教学書を著すなど、浄厳と霊雲寺は民衆にも寄り添い親しまれる存在となりました。
    この特集では、霊雲寺が所蔵する名宝と当館所蔵の関連資料をともに展示し、霊雲寺と寺宝の魅力、開基浄厳の行状について紹介いたします。浄厳自筆の梵書や、独自の解釈による両界曼荼羅、また当館法隆寺献納宝物にある浄厳ゆかりの品々が一堂に並ぶこの機会に、どうぞごゆっくりご鑑賞ください。本展観覧後はぜひ、上野公園から不忍池、湯島天神を経て霊雲寺へ、また浄厳の墓所である根津の妙極院(みょうごくいん)へもお越しいただけましたら幸いです。

 主な出品作品
*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
 主な出品作品
*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
梵書胎蔵界大日如来真言 浄厳筆 江戸時代・17世紀 東京・霊雲寺蔵
両界曼荼羅図 江戸時代・17世紀 東京・霊雲寺蔵
重要文化財 弥勒曼荼羅図 鎌倉時代・13世紀 東京・霊雲寺蔵
訳経記 浄厳筆 江戸時代・元禄7年(1694)(2017年5月14日まで展示)
悉曇三密鈔 浄厳編 江戸時代・天和2年(1682) (2017年5月16日から展示)

パンフレット

幕府祈願所 霊雲寺の名宝
幕府祈願所 霊雲寺の名宝

会期中、本館インフォメーションにて配布しています。
※なくなり次第、配布は終了します。

PDFPDF, 3.5MB)

関連事業

<ギャラリートーク>   幕府祈願所霊雲寺と開基浄厳
本館 特別2室  2017年5月16日(火)   14:00 ~ 14:30   当日受付

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