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おひなさまと日本の人形

  • 『台付機巧輪舞人形(部分) 茗荷屋半右衛門・川合谷五郎正真作 江戸時代・正徳3年(1713)』の画像

    台付機巧輪舞人形(部分) 茗荷屋半右衛門・川合谷五郎正真作 江戸時代・正徳3年(1713)

    本館 14室
    2017年2月21日(火) ~ 2017年4月16日(日)

    3月3日は桃の節句(せっく)。華やかで楽しいおひなさまの季節です。おひなさまの歴史は、罪や穢(けが)れを託して水に流した古代のヒトガタや、幼児のお守りとして平安時代から貴族が用いた天児(あまがつ)・這子(ほうこ)に遡ります。また平安貴族の子どもたちは「ひいな遊び」というオママゴトを行なっていました。

    祈りを託し、時に一緒に遊ぶという人形のあり方は江戸時代に引き継がれ、女の子の幸せを願って桃の節句に雛人形を飾る風習が定着します。江戸時代初期の雛人形は紙製の立雛(たちびな)であったと考えられ、いまだ手遊(てあそ)びの要素が強いものでした。

    17世紀の前半には宮中の特別な誂(あつら)えとして絹の衣裳を着た座雛(すわりびな)が登場し、武家や町方(まちかた)にも広まります。特に富裕な町方では錦や金襴(きんらん)をふんだんに用いた享保雛(きょうほうびな)や古今雛(こきんびな)など、華麗な人形が生み出されました。

    今回はおひなさまの歴史をたどる様々な雛人形とともに、衣裳人形を展示します。衣裳人形とは文字通り衣裳を着付けた人形で、江戸時代の人々の姿を生き生きと表しています。江戸時代の衣裳人形は現存する数が少ないため、これだけの作品が揃うのは極めて貴重な機会です。

    日本人形の名品を通じ、繊細で美しく、可愛らしいものを尊ぶ日本の美意識を感じていただければ幸いです。

     

    担当研究員の一言

    可愛らしいお人形たちが沢山登場です。是非とも会いにきてくださいね!/三田覚之

 主な出品作品
*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
 主な出品作品
*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
台付機巧輪舞人形 茗荷屋半右衛門・川合谷五郎正真作 江戸時代・正徳3年(1713)
享保雛 江戸時代・18世紀
立雛(次郎左衛門頭) 江戸時代・18~19世紀
衣裳人形吉 江戸時代・18世紀
初参人形 明治時代・19世紀 赤木寧子氏寄贈
 

図録

おひなさまと日本の人形
東京国立博物館セレクション
「おひなさまと日本の人形」

三田覚之著

発行:東京国立博物館
定価:1200円(税別)
オールカラー 64ページ(235㎜×190㎜)

※ ミュージアムショップにて販売しています。

 

関連事業

本館 地下 みどりのライオン (教育普及スペース)  2017年2月25日(土)   10:00 ~ 12:30   受付終了
本館 地下 みどりのライオン (教育普及スペース)  2017年2月25日(土)   14:00 ~ 16:30   受付終了

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