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臨時全国宝物取調局の活動―明治中期の文化財調査―

  • 『国宝 紅白芙蓉図(部分) 李迪筆 中国 南宋時代・慶元3年(1197) [展示期間:2017年1月9日まで]』の画像

    国宝 紅白芙蓉図(部分) 李迪筆 中国 南宋時代・慶元3年(1197) [展示期間:2017年1月9日まで]

    本館 15室
    2016年12月20日(火) ~ 2017年2月19日(日)

    東京国立博物館は草創期から文化財保護活動と深く関わっています。日本の文化財保護活動のはじまりとされる明治5年(1872)の壬申検査はもちろん、それに続いて行なわれた明治20年代の文化財調査においても重要な役割を担っていました。

    明治21年(1888)に臨時全国宝物取調局が発足し、各地に調査員を派遣して美術品の鑑査と登録を行いました。取調局委員長は当時宮内省図書寮附属博物館(東京国立博物館の前身)を統括していた図書頭の九鬼隆一が務め、取調局員にも博物館職員の名前が見られ、博物館と連携した事業であったことがうかがえます。調査は近畿地方に始まり、中国地方、九州地方、東北地方など各地に調査員が赴きました。更に本局においても広告を出して出品を受け、鑑査が進められました。

    大方の調査が終了し、明治30年(1897)にその残務を帝国博物館(宮内省図書寮附属博物館の後身)が引き継いだことから、東京国立博物館には臨時全国宝物取調局の活動に関わる資料が残されています。簿冊・ガラス乾板・紙焼付写真からなる5359点の資料は文化財保護の歴史を伝える貴重な資料群として、平成28年(2016)に重要文化財に指定されました。

    本展示ではこれらの資料と、調査対象となった作品から10年間にわたる臨時全国宝物取調局による文化財調査の実際と、博物館が引き継いだ活動をご紹介します。

     

    担当研究員の一言

    明治20年代の文化財調査とその後の記録です。実際に調査された作品と共にご紹介します。/三輪紫都香

 主な出品作品
*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
 主な出品作品
*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
国宝 紅白芙蓉図 李迪筆 中国 南宋時代・慶元3年(1197)(2017年1月9日まで展示)
重要文化財 東京府宝物精細簿 乙 明治時代・19世紀(2017年1月9日まで展示)
重要文化財 鑑査状番号簿 第四自第五七四四号至第七四五〇号 明治時代・19世紀(2017年1月9日まで展示)
重要文化財 要甲・要乙資料参考簿 鑑査部編 明治32年(1899)
鑑査状(紅白芙蓉図) 明治26年(1893)3月17日(2017年1月9日まで展示)
書状 芝山宣豊筆 江戸時代・寛文4年(1664) 堆朱鶴子氏寄贈

 

関連事業

<ギャラリートーク>   明治20年代の文化財調査
本館 15室  2016年12月20日(火)   14:00 ~ 14:30   当日受付