本館 特別5室
2016年6月21日(火) ~ 2016年7月10日(日)
左足を踏み下げ、右足をその膝の上に組んで坐り、右手を頬に添えて思案する仏像を半跏思惟像(はんかしゆいぞう)といいます。このような坐り方を半跏といい、物思いにふける(思惟)ことがその名の由来です。
半跏思惟像は、仏教の母国・インドにはじまり、中国、朝鮮半島、日本へと伝わりました。日本や朝鮮半島では6世紀から8世紀の間に多くの像がつくられ、そのなかには古代仏教彫刻の傑作といわれる仏像があります。奈良県の中宮寺門跡(ちゅうぐうじもんぜき)に伝わる国宝の半跏思惟像はその一つで、優しく微笑む顔は誰もが知るところです。また、韓国国立中央博物館所蔵の銅製の半跏思惟像は、国宝78号像として広く親しまれています。日本と韓国に同じ姿の優れた仏像が残るのは、両国の古代から続く交流の深さを物語るといえましょう。
本展は、日本と韓国の仏像の美を堪能するまたとない機会です。
本展に先立ち、韓国国立中央博物館にて中宮寺門跡と韓国国立中央博物館の半跏思惟像を展示する特別展「韓日国宝半跏思惟像の出会い」(2016年5月24日(火)~6月12日(日))を開催します。