平成館 企画展示室
2013年7月13日(土) ~ 2013年9月8日(日)
和様(わよう)の書とは、平安時代に三跡(さんせき)(小野道風(おののとうふう)、藤原佐理(ふじわらのさり)、藤原行成(ふじわらのこうぜい))と呼ばれる3人の能書(のうしょ)を中心に確立した、日本独自の書風です。日本ではもともと、中国からの漢字の伝来にともなって、王羲之(おうぎし)など中国の書を学んでいました。その中で、日本人の好みにあわせて変化したのが、和様の書です。同時開催の特別展「和様の書」では、平安時代を中心にして、江戸時代までの和様の書の名品をご紹介しています。
明治時代に入ると、国による博物館の創立(当館の前身)などによって、書を取り巻く環境が変化します。江戸時代に「御家流(おいえりゅう)」として広まった和様の書も、近代的な文化財、美術、そして教育へと組み込まれることになります。明治13年(1880)には、中国から楊守敬(ようしゅけい)の来日により、中国書法を範とする書も新たな一歩を踏み出し、明治23年(1890)、難波津会(なにわづかい)の結成により平安時代の仮名の研究が進展します。そうして、明治時代以降も、和様の書は仮名を中心として、古典を学びながら、新しい作品が生み出され続けてきました。
当館には、明治時代以降の近現代の書もたくさん伝わっています。今回はその中から、仮名を中心に和様の作品を御覧頂きます。