本館 特別1室・特別2室
2013年1月2日(水) ~ 2013年1月27日(日)
新年明けましておめでとうございます。
今年、平成25年(2013年)の干支(えと)は、「巳」(み)つまり蛇(ヘビ)。新しい年の幕あけを飾って、蛇にちなんだ絵画、彫刻、工芸品などを一堂に集め、ご紹介します。
私たちが蛇にたいしてもつ感じ方は、どのようなものでしょう? その奇妙なすがたとふしぎな生態に、人々は「不気味(ぶきみ)だ」と感じる一方で、「神秘的(しんぴてき)だ」という気持ちをいだいてきました。蛇はときに、神のお使いとして、毎日のくらしの安全を守り、富(とみ)をもたらすものと信じられました。また昔話や神話にもよく登場し、ふしぎな力をふるいます。日本に限らず、いろいろな時代と地域で、バラエティ豊かな蛇が絵に描かれ、形づくられてきましたが、そこには「おそれ」と「うやまい」の入りまじった、複雑な感情があらわれているようにみえます。
ここトーハクに140年をかけ巣食(すく)ってきた蛇たちが、いま結集しました。テーマは「I 蛇:日本と異国の立体造形」「II 描かれた蛇」「III 十二支の中の蛇」「IV 芸能の中の蛇」の4つ。みなさんにお目にかかるため、過去から今へと、首ならぬ体を長くして待っていた彼らのすがたを、ぜひごらんください。
担当研究員の一言
恐れとうやまいの入りまじった、人々の複雑な思いは、多様なヘビの造形を生みだしました。140年かけて、博物館に巣食ってきたヘビたち。とぐろをまいて、待ってます!/伊藤信二・土屋貴裕