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歴史資料 武家の作法―弓馬のたしなみと剣術・砲術・礼法

  • 『荻野流鉄砲組立之図(部分) 江戸時代・19世紀写 徳川宗敬氏寄贈』の画像

    荻野流鉄砲組立之図(部分) 江戸時代・19世紀写 徳川宗敬氏寄贈

    本館 16室
    2011年11月22日(火) ~ 2011年12月25日(日)

    武士の本分は本来戦いとされ、特に武士は「弓取り」と自称し、「弓矢取る身の習い」などの言葉からも、戦いの基本は弓馬術でした。平安時代中期に登場した初期の武士は、馬にまたがり矢を射る姿で描かれています。我が国では慣習や「しきたり」などを指す言葉に「故実(こじつ)」という語がありますが、本来は政治の中枢を担った貴族たちのもので、王朝儀礼を伝えるため「有職故実(ゆうそくこじつ)」が生まれます。しかし時代が下り貴族に代わって武士が政権を担うと、当初貴族の故実を踏襲した武士たちも、自分たちが培ってきた慣習を基に、独自の制度や儀礼が確立されていきます。その代表が武家の慣習法をまとめた「御成敗式目(ごせいばいしきもく)」です。

    武士の支配は江戸幕府の成立によって主従関係を基盤とする封建的支配体制が完成をみて、こうした「しきたり」は武士として当然身に着けなければならない作法「武家故実」として大成されます。当初は戦いや、主従制を制度的に規定する政治に関わるものが定められましたが、次第にその範囲は、諸武術や兵法、果ては武士の生活スタイルに至るまでに広がり、この時代には各分野で多数の流派が生まれ、様々な文献が著わされました。 


    本展示ではそうした文献の中から弓馬術・剣術・砲術・礼法に関わるものを中心に構成し、武士が形成した多様な世界観に触れていただきたいと考えています。

 主な出品作品
*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。

武田家流兵法書 江戸時代・文政10年(1827)写 徳川宗敬氏寄贈
手綱秘書
 江戸時代・19世紀
随兵日記
 小笠原元長著 江戸時代・18世紀写 原典=文明18(1486)年1月11日成立

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