国宝 法華経 方便品(竹生島経)(部分)
平安時代・11世紀
本館 2室
2023年10月3日(火) ~ 2023年11月5日(日)
琵琶湖に浮かぶ竹生島の宝厳寺に伝来したため「竹生島経」と呼ばれます。宝厳寺が所蔵している「序品」と本巻「方便品」は、もとは『法華経』巻第一として一巻に収まっていました。
料紙には、金泥と銀泥で下絵が描かれています。平安時代中期以降に、極楽往生を願って経巻を飾るようになりますが、なかでも文様が大振りなのが本巻の特徴です。宝相華の茎が軽やかに伸びており、大きな瑞鳥と蝶が飛びかっています。銀泥が黒く変色していても、表情豊かな文様が経巻に華を添えています。
巻末には別紙を継いで、江戸初期の「三筆」の一人と称えられる松花堂昭乗(1582~1639)が寛永4年(1627)に跋を記しています。昭乗は、源俊房(1035~1121)筆と鑑定していますが、俊房自筆の書とは異筆です。本巻の書は、転折(折れ)が柔らかい和様の筆致となっていて、装飾下絵とあわせて検討すると書写年代は11世紀の初め頃と考えられます。筆を傾ける側筆で、「一」など横画を引くときは少し力強いようにも見えますが、全体的にはのびのびとして柔和な筆遣いとなっています。
指定 | 名称 | 員数 | 作者・出土・伝来 | 時代・年代世紀 | 所蔵者・寄贈者・列品番号 | 備考 | |
おすすめ | 国宝 | 法華経 方便品(竹生島経) | 1巻 | 平安時代・11世紀 | B-2401 |