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元禄10年5月、中村座で上演された「兵(つわもの)根(こん)元(げん)曾(そ)我(が)」の市川団十郎を描いている。筋肉を誇張した「瓢(ひょう)箪(たん)足(あし)」、抑揚の強い描線「蚯蚓(みみず)描(がき)」など初期鳥居派の技法で江戸の荒事歌舞伎の豪快さが表現され、粗雑な彩色が力強さを一層強調している。