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ハンズオン体験コーナー「魔鏡の不思議」

  • 『魔鏡 江戸時代・18世紀』の画像

    魔鏡 江戸時代・18世紀

    表慶館 体験の間
    2007年10月2日(火) ~ 2008年6月1日(日)

    鏡の表面に、太陽の光をあてて、近くの壁に反射させて遊んだことがありますか?もしも、その中に、文字 や絵が浮かび上がったとしたら、暗号みたいで、おもしろいと思いませんか?
    江戸時代に、そんな不思議な鏡が作られていました。人々は、これを魔鏡と呼びました。
    表慶館体験の間で魔鏡の不思議を体験してみませんか?

魔鏡ってなに?

 ごく普通のツルツルした鏡に見えますが、光をあてるとその反射した光の中から、文字や文様が浮かび上がってくる不思議な鏡、それが、魔鏡です。
どうして文字がうつるの?

 鏡の表面はつるつるです。秘密は裏側にあるようです。裏側をみてみましょう。
 裏側には、文字が書いてあります。この文字が、映し出されていたようです。
 では、どうして、裏側の文字が、映っていたのでしょうか?
 裏側に文字や模様が入っていると、鏡の表面を磨くときに、でこぼこができるからなど、いろいろな説がありますが、実は、その原理は、はっきりとはわかっていません。

魔鏡はなんのために作られたの?

 日本人が初めて鏡を手にしたのは、弥生時代のことで、中国から伝えられた青銅の鏡は、権力のシンボルであったと考えられています。その後、6世紀半ば頃に仏教が伝えられると、鏡は姿を映すものであると同時に人々が祈りを込めるものとなり、仏堂に奉納したり、仏像の体内に納められたりもしました。また、神社では、鏡は祈りをささげる神様そのものとされました。鏡の表面に光をあてると、背面の仏像や経文が壁に明るく映し出されるという不思議な鏡、魔鏡は、江戸時代につくられるようになりました。「南無阿弥陀仏」の文字や仏像の絵が浮かぶもの、さらに隠れキリシタンの人々が作らせたという、マリアやキリスト像が現れる鏡など、信仰にかかわるものが多く作られたようです。人々の宗教的な崇敬を集めたものと思われます。