このページの本文へ移動

特別展「平安の秘仏―滋賀・櫟野寺の大観音とみほとけたち」

  • 『重要文化財  十一面観音菩薩坐像  平安時代・10世紀 滋賀・櫟野寺蔵』の画像

    重要文化財 十一面観音菩薩坐像 平安時代・10世紀 滋賀・櫟野寺蔵

    本館 特別5室
    2016年9月13日(火) ~ 2017年1月9日(月・祝)

    滋賀県甲賀市に所在する天台宗の古刹、櫟野寺(らくやじ)には重要文化財に指定される平安時代の仏像が20体も伝わります。
    その数は、優れた仏像が数多く残る滋賀県でも特筆されます。本展は、20体すべてを寺外で展示する初めての機会です。本尊の十一面観音菩薩坐像は像高が3mもある圧巻の作品で、普段は大きく重い扉に閉ざされる秘仏です。重厚感ある堂々とした姿ですが、美しい顔立ちは、見る人に安らぎを与えることでしょう。その十一面観音とともに2.2mある薬師如来坐像が並ぶ様子は壮観といえます。他にも、11体の観音や、どこか親しみのある毘沙門天立像、文治3年(1187)に造られたことが知られる貴重な地蔵菩薩坐像なども出品され、櫟野寺に伝わる平安彫刻の傑作を一時にご覧いただける展覧会です

    特別展「平安の秘仏―滋賀・櫟野寺の大観音とみほとけたち」は、2016年9月13日(火)~12月11日(日)までの 会期を予定していましたが、会期延長が決定しました。

    当初の会期
    2016年9月13日(火)~12月11日(日)

    変更後の会期
    2016年9月13日(火)~2017年1月9日(月・祝)
    (2016年12月24日(土)~2017年1月1日(日・祝)は休館です)


    ※12月13日(火)以降、当日券は東京国立博物館正門チケット売場でのみ、ご購入いただけます。お買い求め済みの前売券、無料観覧券などにつきましては、新しい会期中もそのままお使いいただけます。
    ※本館会場特設ショップの営業期間が変更になりました。
    年内は12月11日(日)で営業終了し、2017年は1月2日(月・休)~1月9日(月・祝)まで営業します。
    図録は閉店期間中も当館ミュージアムショップで販売しています。

    これまでにご来館いただいたお客様に心より御礼申し上げるとともに、引き続き多くのお客様のご来館をお待ち申し上げます。

    展覧会のみどころ

    開催概要

2016年12月21日(木)、入場者が20万人に達しました。

2016年11月4日(金)、入場者が10万人に達しました。

1089ブログ「平安の秘仏―滋賀・櫟野寺の大観音とみほとけたち」 展覧会の見どころなどを紹介しています。

「個性派ぞろい 櫟野寺のみほとけたち」 投票結果(投票期間:2016年10月3日(月)~10月31日(月))

東京国立博物館 資料館 特別展「平安の秘仏―滋賀・櫟野寺の大観音とみほとけたち」関連図書コーナー設置

展覧会のみどころ

 

総高5m超の秘仏、寺外初公開

 

重要文化財 十一面観音菩薩立像
重要文化財 十一面観音菩薩坐像
平安時代・10世紀
滋賀・櫟野寺蔵

像高3mを超す大観音で、重要文化財に指定された十一面観音菩薩坐像では日本最大です。頭と体は一本の大木から彫り出されます。木の重さが伝わってくるような重厚な姿ですが、美しく整った顔を仰ぎ見ると心が癒されます。迫力と穏やかさがともにみられる表現は、10世紀の仏像の特徴です。
 

 

2mを超える薬師如来坐像など、重要文化財の平安彫刻20体が一堂に

 

重要文化財 薬師如来坐像
重要文化財 薬師如来坐像
平安時代・12世紀
滋賀・櫟野寺蔵


左手に薬壺をもち、病気平癒をつかさどる薬師如来像です。本尊よりは小さいものの、仏像に求められる理想的な大きさである周丈六(しゅうじょうろく)を基準に表された像高2.22mの大作で、その穏やかな表現は、都の大仏師、定朝(じょうちょう)の作風を模範とする定朝様に倣います。最澄が開創した延暦寺根本中堂の本尊は薬師如来であり、いかにも天台宗の古刹、櫟野寺にふさわしいみほとけといえます。
 
重要文化財 地蔵菩薩坐像
重要文化財 地蔵菩薩坐像
平安時代・文治3年(1187)
滋賀・櫟野寺蔵

地蔵菩薩は、釈尊が入滅したのち、弥勒がこの世にあらわれるまでの56億7千万年という長い間、我われを救って歩くという役目をもっており、古くより信仰されてきました。本像は像内の銘文から、文治3年(1187)に造られたことがわかります。仏師運慶らによって写実的な仏像が造られるようになった頃ですが、櫟野寺周辺ではまだこのように、平安風で穏やかな姿の像が造られていました。
 

 

 重要文化財 観音菩薩立像
重要文化財 観音菩薩立像
平安時代・10~11世紀
滋賀・櫟野寺蔵

櫟野寺には、本尊の十一面観音菩薩坐像をはじめ、10世紀~12世紀にかけて造られた観音菩薩が現在も複数残されています。このことは、観音への信仰がこの地に深く根ざしていたことをものがたっています。本像はそのなかでもすぐれたできばえの像で、切れ長の目など表情には厳しさがありますが、細身に表された体つきは優美です。
重要文化財 毘沙門天立像
重要文化財 毘沙門天立像
平安時代・10~11世紀
滋賀・櫟野寺蔵

平安時代の初めに坂上田村麻呂が鈴鹿山の山賊の追討を櫟野寺で祈願し、それが叶うと毘沙門天像を造って安置したといいます。この像は10~11世紀頃に造られたものですが、目をつり上げ、口をへの字に歪める表情にはどこか親しみをおぼえます。腹部に表された奇妙な顔にも注目してください。
 

 

櫟野寺について

 

櫟野寺本堂
   櫟野寺本堂 撮影:藤原弘正
滋賀県甲賀市に位置する天台宗の古刹、櫟野寺は、延暦11年(792)に最澄が延暦寺の建立に際して良材を求めて当地を訪れ、櫟(いちい)の霊木に観音像を刻んだことがその始まりと伝えられます。鈴鹿山脈に連なる油日岳の山麓に位置し、すぐ近くを琵琶湖に注ぐ杣川(そまがわ)が流れるという立地は、世俗を離れ比叡山中で修行した最澄が、良材を求めた場所としてふさわしく感じられます。
征夷大将軍の坂上田村麻呂が山賊追討の祈願成就をよろこび、堂塔を寄進したとの伝承も残ります。また、白州正子氏が「かくれ里」とも呼んだこの櫟野(いちの)の地には、櫟野寺を拠点として数多くの天台寺院が建立され、豊かな仏教文化が花開いたのでした。秘仏本尊の十一面観音菩薩坐像はその制作が10世紀後半に遡るため、そのころには櫟野寺が甲賀における仏教文化の中心であったことが知られますが、本尊含め重要文化財に指定される平安仏は20体にも及びます。これら平安仏が林立する光景を前にすれば、かつて末寺として七坊を誇ったという名刹、櫟野寺の栄華がしのばれるでしょう。
 

 

展覧会のみどころトップへ

 

開催概要

会  期 2016年9月13日(火) ~ 2016年12月11日(日) 2017年1月9日(月・祝)
会  場 東京国立博物館 本館特別5室(上野公園)
開館時間 9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで)
(ただし、会期中の金曜日および、10月22日(土)、11月3日(木・祝)、11月5日(土)は20:00まで、9月の土・日・祝日は18:00まで、10月14日(金)、10月15日(土)は22:00まで開館)
休館日 月曜日、年末年始(12月24日(土)~1月1日(日・祝)
(ただし、9月19日(月・祝)、10月10日(月・祝)、1月2日(月・休)、1月9日(月・祝)は開館、9月20日(火)、10月11日(火)は休館)
観覧料金 一般1000円(900円)、大学生700円(600円)、高校生400円(300円)
中学生以下無料
( )内は前売り・20名以上の団体料金
障がい者とその介護者一名は無料です。入館の際に障がい者手帳などをご提示ください。
2016年12月13日(火)以降、当日券は東京国立博物館正門チケット売場でのみ、ご購入いただけます(窓口、開館日のみ、閉館の30分前まで)。
前売券は、東京国立博物館 正門チケット売場(窓口、開館日のみ、閉館の30分前まで)、展覧会公式サイト、チケットぴあ[Pコード:767-784]、ローソンチケット[Lコード:33853]、イープラス、CNプレイガイド、ちけっとぽーとで2016年7月15日(金)~9月12日(月)まで販売。前売券の販売は終了しました。
特別展「古代ギリシャ―時空を超えた旅―」(2016年6月21日(火)~9月19日(月・祝)、平成館)、特別展「禅―心をかたちに―」(2016年10月18日(火)~11月27日(日)、平成館)は、別途観覧料が必要です。
「東京・ミュージアムぐるっとパス」で、当日券一般1000円を900円(100円割引)でお求めいただけます。正門チケット売場(窓口)にてお申し出ください。
交  通 JR上野駅公園口・鶯谷駅南口より徒歩10分
東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、千代田線根津駅、京成電鉄京成上野駅より徒歩15分
主  催 東京国立博物館、櫟野寺、読売新聞社
後 援 TBSラジオ
協 賛
日本写真印刷
協  力 日本通運
カタログ・音声ガイド 展覧会カタログ(1800円:税込)は、本館会場特設ショップ(注:2016年の営業は12月11日(日)まで、2017年は1月2日(月・休)~1月9日(月・祝)まで営業)、およびミュージアムショップにて販売しています。音声ガイド(日本語のみ)は520円(税込)でご利用いただけます。
お問合せ 03-5777-8600 (ハローダイヤル)
展覧会公式サイト http://hibutsu2016.com/
展覧会公式サイトは会期終了時をもって終了いたしました。
展覧会関連サイト 「櫟」普及委員会   http://raku-iinkai.com/
本関連サイトは会期終了時をもって終了いたしました。

 

関連事業

平成館 大講堂  2016年10月15日(土)   13:30~15:00 *開場は13:00を予定   受付終了
<講演会・講座>   連続講座「仏像三昧」
平成館 大講堂  2016年10月21日(金) ~ 2016年10月23日(日)   13:00~16:15 *開場は12:30を予定しています   受付終了
本館 エントランス  2016年10月7日(金)   18:00~、19:00~(各回20分予定)   当日受付

「平安の秘仏」オリジナル写仏セット付きチケット  1,600円(500セット限定)※販売終了しました

写仏セット
フェリシモ「おてらぶ」とのコラボレーション企画で出来上がった、「平安の秘仏」オリジナル写仏セットが付いた、お得な前売券です。
料  金 :1,600円(一般のみ)
販売期間 :2016年7月15日(金) 午前10時~(限定枚数に達し次第、販売終了)
販売枚数 :500セット限定
販  売 :チケットぴあ[Pコード:767-784]、ローソンチケット[Lコード:33853]、イープラス、CNプレイガイド
引換方法 :写仏セットは会場のグッズ売場での引換えとなります。
             会場のグッズ売場休業期間中(12月13日(火)~12月23日(金・祝))は、会場入口で引換えます。