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東京国立博物館×凸版印刷 『「洛中洛外図屏風(舟木本)」高品位複製』

東京国立博物館と凸版印刷は共同プロジェクトの一環として、2009年に最新のデジタル撮影と色彩計測技術を用いて『洛中洛外図屏風(舟木本)』を高精細デジタルアーカイブ化しました。その高精細デジタルアーカイブデータを活用し、東京国立博物館絵画・彫刻室長・田沢裕賀の監修のもと、凸版印刷のデジタル技術と高品位印刷「プリマグラフィ」による複製を制作、同作品の精緻に描かれた極めて小さな人物の細部まで再現するとともに、経年変化で損なわれた色彩を、実物の雰囲気を壊すことなく復元しました。
複製にすることで、実物では難しい、屏風の至近距離での鑑賞を可能とし、細密に描かれた京都の町に生活する2500人以上の人々の姿が、よりいっそう輝きを増し、生き生きと感じられます。現在、東京国立博物館の創立140周年を記念して本商品を販売しています。

 

商品名 『東京国立博物館創立140周年記念「洛中洛外図屏風(舟木本)」高品位複製』
サイズ 原寸(縦163cm×横346cm/一隻/六曲一双)
本紙 和紙/プリマグラフィ(10色/ジークレー手法)
表装 「縁」 木材/黒(カシュー)/角を面取り、「金具」銅鍍金/燻し加工
題字 島谷弘幸 東京国立博物館副館長
化粧函 紙製
付属冊子 B5判正寸/8頁/和綴じ(作品解説・取り扱い方法など)
監修 東京国立博物館
製作・発売元 凸版印刷株式会社
販売場所 東京国立博物館内ミュージアムショップ
販売価格 東京国立博物館140周年記念期間限定特別価格
2,500,000円(税込み)(2012年3月20日(火・祝)~2013年3月31日(日))
上記期間以降は3,000,000円(税込み)となります。

 

 

『東京国立博物館創立140周年記念「洛中洛外図屏風(舟木本)」高品位複製』について

『洛中洛外図屏風(舟木本)』は、表面に付着した汚れや経年変化による退色により、展示室でのガラス越しの鑑賞でははっきりと見えない部分があります。本商品は、最新のデジタル撮影と色彩計測によって取得した22億1000万画素にも及ぶ膨大な洛中洛外図のデジタルアーカイブデータを活用し、凸版印刷のデジタル画像処理技術と高品位印刷「プリマグラフィ」により、色鮮やかで細部まで鑑賞することができる屏風を再現複製しています。また、表装は角を面取りした縁、銅鍍金と燻し加工を施した金具を採用し、洛中洛外図屏風が制作された当初の雰囲気を演出しています。現代のデジタル技術と伝統工芸的な手法によって実物と同じ大きさに仕上げ、レプリカとしてではなく、美術品としてお楽しみいただけることを目指して制作いたしました。

屏風設置イメージ
VR作品『洛中洛外図屏風 舟木本』より
監修:東京国立博物館 制作:凸版印刷株式会社

 

重要文化財『洛中洛外図屏風(舟木本)』について


重要文化財「洛中洛外図屏風(舟木本)」江戸時代・17世紀(展示予定は未定)

洛中洛外図は、室町時代後期に登場したやまと絵屏風の主題の一つで、京都の町中のにぎわいや郊外の寺社などの名所のありさまを描くものです。
古い作品としては、国立歴史民俗博物館の重要文化財「歴博甲本」や織田信長から上杉謙信への贈り物と伝えられる米沢市立上杉博物館の国宝「上杉本」がよく知られています。東京国立博物館所蔵の洛中洛外図は旧所蔵者の名前から「舟木本」と通称されています。名所図の集合体という趣の前時代の図とは異なる、鳥瞰図のイメージに近い西南方向からの眺望で、豊臣秀吉による再開発が行われた洛中と東山の一部を描いています。景観は、おおむね大坂の陣(1614~15)で豊臣家が滅びる直前のものと考えられ、戦国の荒々しい気風を残しながらも統一と繁栄に向かう京都の社会を、独特の筆致で活写しています。

祇園祭の場面