鯨津朝子さんとみなさんにありがとう
国際交流室研究員の遠藤楽子です。
おもに英語と外国にまつわるさまざまな業務に携わり、また、博物館や、日本の絵画史の研究をしています。
本館前のヨシノシダレ。桜シーズンの最後に満開を迎えます
トーハクでは、研究課題に応じて科学研究費補助金による助成を受けています。
日本の美術を理解するための効果的な方法を考えるという難しくもエキサイティングな研究課題のもと、
4年間にわたり、国内外の博物館で行なわれている教育・普及プログラムの調査も実施しました。
ニューヨーク・メトロポリタン美術館にて
2009年秋には、「応挙館で美術体験」という実験的プロジェクトを行ない、この研究のために、鯨津朝子(ときつあさこ)さんという現在活躍中の作家の方に円山応挙の複製画の隣に作品をつくっていただきました。
(左)設計図を前に、制作中の鯨津さん (右)鯨津さんの線のドローイングによるインスタレーション(撮影:早川宏一)
作品の展示、複製の活用、研究員の解説、などなど、いまのトーハクができることを駆使しながら、一般の方に調査に協力していただきました。
先人がこの世に生み出してから何百年もの時を経た作品でも、その世界を体で感じてみたい、博物館でも、体感と理解をつなげていきたい、という目標に少し近づけたような、有難い経験になりました。
そのプロジェクトの報告書が、「『応挙館で美術体験』の記録」というタイトルで当館より発行されています。興味のある方はぜひ、ご一読ください。
鯨津さんと、ご協力いただいたみなさん、プロジェクトメンバー、科学研究費にありがとう!
カテゴリ:2012年3月
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posted by 遠藤楽子(国際交流室) at 2012年03月19日 (月)