今年も残すところあとわずか。
博物館に初もうでのポスター、来年は誰かな? と楽しみにしてくださっている方もいるのではないでしょうか。
トーハクでは2011年から年末年始にタレントさんを起用したキャンペーンを行っています。
2011年 トーハク?キャンペーン。
女優の貫地谷しほりさんにご出演いただき、「博物館の楽しみ方」をテーマに館内のさまざまなシーンを撮影。
ナチュラルで感性豊かな貫地谷しほりさんを等身大のモデルとして、まだ博物館に一度も来たことのない方が
「行ってみたい!」という気持ちになってくれたら。そんな思いをこめたポスターでした。
「トーハク」という愛称を前面に打ち出した最初の広報展開でした。
2012年 140周年キャンペーン。
女優の中谷美紀さんにご出演いただき、140年の歴史と、それを支えてきた多くの人々への感謝の思いを表現しました。
本館大階段で、見返り美人をイメージした赤いドレスの中谷美紀さんが振り向く姿は息をのむほどの美しさ。
140年を迎えたトーハクの、非日常的な美しい空間をアピールし、大きな話題になったポスターです。
このデザインで制作した新聞広告では、毎日広告デザイン賞の部門賞もいただきました。
そして2013年。来年のトーハクの顔は俳優の井浦新さんです。
大河ドラマ「平清盛」での崇徳上皇役の熱演が記憶に新しいところ。
実は井浦さんは、大の美術ファン。展覧会でのトークショーや、音声ガイドのナレーション、さらには美術をテーマにした
雑誌連載など、美術に関わるお仕事の幅を広げておられます。
私がはじめて井浦さんにお会いしたのは、2012年春。テレビ番組の収録で特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」に
ご来場いただいたときです。
撮影の待ち時間もひたすら熱心に作品を見ている井浦さん。インタビューでは、言葉をひとつひとつ選んで誠実に
答える井浦さん。
その様子から、日本美術への思い、そしてたいへんうれしいことに、トーハクへの愛がひしひしと伝わってきました。
そこで、2013年のキャンペーンは、ぜひ井浦さんの目線で、「美術に出会う感動」を表現していただこうと思いました。
成熟したおとなが、新しい出会いにどきどきしたり、美しいものと過ごす時間にしみじみ幸せを感じたり。
そんなトーハクならではの感動を皆様にお伝えできればと思っています。
カテゴリ:news
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posted by 小林牧(広報室長) at 2012年12月14日 (金)
特別展「中国 王朝の至宝」(2012年10月10日(水)~12月24日(月・祝))は、
2012年11月28日(水)午後、10万人目のお客様をお迎えしました。
多くのお客様にご来場いただき、心より御礼申し上げます。
10万人目のお客様は、埼玉県よりお越しの木村梨奈さんです。ご友人の田中彩香さんと一緒に来館されました。
記念品として、東京国立博物館長 銭谷眞美より、本展図録と展覧会オリジナルの中国茶などを贈呈いたしました。
左から、銭谷眞美館長、木村梨奈さん、田中彩香さん
2012年11月28日(水) 東京国立博物館平成館にて
木村さんは、大学で受講している中国語の授業で、先生がこの展覧会をぜひ見に行くようにと薦めてくれたとのこと。
「貴重な作品がたくさん展示されていると伺ったので、実際に見るのが楽しみです」とお話いただきました。
特別展「中国 王朝の至宝」は、会期終了まで残り1ヶ月を切りました。
なんとも不思議な形の「羽人(うじん)」や、りりしい姿が印象的な「跪射俑(きしゃよう)」などは必見です。この機会にぜひほんもののパワーを体感してください。
ご来館を心よりお待ちしております。
カテゴリ:news、2012年度の特別展
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posted by 小島佳(広報室) at 2012年11月28日 (水)
トーハクでは来年、「国宝 大神社展」(2013年4月9日(火)~6月2日(日)平成館)を開催します。
2012年11月20日(火)に報道発表会を行いました。
本展覧会担当の上席研究員・池田宏より展覧会の見どころと各章の解説を、教育講座室長・丸山士郎より「神像」の解説をいたしました。
(左)池田研究員、(右)丸山研究員
この展覧会のすごいところは、過去最大の、そして今後も実現は難しいであろうほど大規模な神道美術展、ということです!きっぱり!
日本全国の神社から貴重な文化財がなんと200件もこのトーハクに集まります。
そのうち、国宝・重要文化財は約160件!神社の皆様、ご協力いただきどうも有難うございます!
「国宝 大神社展」ポスターデザイン
この展覧会を楽しむキーワードのひとつが、「古神宝(こしんぽう)」。
神社の社殿が造られて、そこに神々が祀られるようになると、人が住んでいるのと同じように、祭神のための装束や身の回りの調度、武具がつくられました。
神社に古くから伝わるこれらの服飾や調度類のことを、古神宝といいます。
国宝 表着 白地小葵鳳凰模様二陪織(うわぎ しろじこあおいほうおうもようふたえおり)
鎌倉時代・13世紀 神奈川・鶴岡八幡宮蔵
展示期間:4月9日(火)~5月6日(月・休)
この画像は古神宝のひとつです。表着とは、かつて宮廷女官たちが着用した装束のこと。
小葵の地文様の上に、さまざまな色の鳳凰が飛ぶ素敵なデザイン。お守りの布のデザインにも、よく使われているそうです。
国宝 金銅製雛機(こんどうせいひなばた)
奈良時代・8世紀 福岡・宗像大社蔵
織機のミニチュアなので、雛機といいます。
織機が神への捧げものとして重要な意味をもっていたのだそう。普通の織機よりも小さいのですがとても精巧に出来ていて、心くすぐられます。
もうひとつのキーワードは、「神像」です。
神像とは、神をかたどって作られた彫像や絵画のこと。
国宝・重文に指定されているの名品や、これまで秘されてきた初公開の神像が一堂に会します。
なかでもこの2作品は必見です。
国宝 家津美御子大神坐像(けつみみこのおおかみざぞう)
平安時代・9~10世紀 和歌山・熊野速玉神社蔵
お名前もお顔もりりしいこのお像は、熊野速玉大社に伝わる4体の国宝神像のうちの1体です。
吉野御子守神像(よしのみこもりしんぞう)
南北朝時代・14世紀 個人蔵
ポスターやチラシでもセンターをつとめられるこのお像。女房の装束が美しい和装の女神像の代表作です。
このほかにも、魅力あふれる文化財がたくさん展示されますので、今後も1089ブログでご紹介していきます。
この展覧会を見ずして神社を語れません!
来春のトーハクは、神社パワー全開です!どうぞお楽しみに!
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posted by 小島佳(広報室) at 2012年11月23日 (金)
にわか雨に見舞われた夏草と、強風になびく秋草を描いた酒井抱一の最高傑作「夏秋草図屏風」。酒井抱一は、姫路城主酒井家の次男として江戸に生まれ、酒井家に縁のあった尾形光琳を慕って江戸琳派とよばれる画風を打ち立てました。文政4年(1821)に描かれ、トーハク館蔵品のなかでも特に人気の高いこの作品が、コロタイプ印刷と最新の印刷技術により、複製としてよみがえりました。
高精細6,000万画素のデジタルカメラにて撮影された画像データが、コロタイプの版にそのまま再現されています。
コロタイプとは、撮影された写真の情報をそのまま版に反映させる技法で、国宝や重要文化財などの文化財の複製に活用されています。
本複製は受注生産であり、多色刷コロタイプ技法を有する唯一の工房である便利堂が、職人の技と感性に支えられた昔と変わらぬ手作業で、一枚一枚丹精込めて仕上げていきます。
原寸大の複製ほか、原寸の50%の複製も制作しました。現代のライフスタイルにもなじむサイズで、夏秋草図屏風の美しさを存分にご堪能いただける大きさです。
ぜひ、夏秋草図屏風(複製)をお手元に置かれ、江戸琳派の雰囲気を間近にご鑑賞ください。
商品仕様
二曲一双屏風
技法: コロタイプ10色刷(背景の銀地はグリッター技法)
寸法: 原寸大複製 各 縦1,650㎜ 横1,820㎜
50%複製 各 縦825㎜ 横910㎜
本紙: 和紙(鳥の子紙)
仕立: 二曲一双屏風(縁はカシュー塗り)
販売価格: 原寸大複製 1,470,000円(税込)(2013年3月末迄の140周年限定価格)
50%複製 525,000円(税込)
製作: 株式会社便利堂
販売: 東京国立博物館協力会
監修: 東京国立博物館
2012年10月23日(火)より、東京国立博物館ミュージアムショップにて受注受付中
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posted by 長澤由美子(総務課) at 2012年11月01日 (木)
本日、特別展「中国 王朝の至宝」(~12月24日(月・休))と、特別展「出雲―聖地の至宝―」(~11月25日(日))が開幕しました。
平成館特別展示室と本館特別5・4室で、2つの特別展が同日に開幕するのはトーハクでは初めてのことです。
まずは特別展「中国 王朝の至宝」の展示室内からご紹介します。
ポスターやチラシで見ていた文物ですが、ほんもののパワーは凄いです!
虎座鳳凰架鼓(こざほうおうかこ)は思っていたよりもずっと大きくて迫力があり、
一級文物 虎座鳳凰架鼓 戦国時代・前4世紀 湖北省・荊州博物館蔵
犠尊(ぎそん)は前側から見るとたまらなく愛らしく、
一級文物 犠尊
山東省淄博市臨淄区商王村出土 斉国故城遺址博物館蔵
跪射俑(きしゃよう)は存在感があり、りりしく彼方を見つめています。
一級文物 跪射俑
陝西省西安市臨潼区始皇帝陵兵馬俑2号坑出土 秦始皇帝陵博物院蔵
当たり前のことですが、百聞は一見にしかず。ほんものだけがもつ凄まじいパワーを、ぜひ体感してみてください!
そしてもうひとつの特別展「出雲―聖地の至宝―」。
こちらも出雲のパワーを感じられる作品がたくさんあります!
古代出雲大社の復元模型はライティングによって浮き上がって見え幻想的です。
出雲大社本殿復元模型
島根県・出雲市蔵
こちらの銅鐸は両面どちらからも見ることができ、シカ・トンボ・ウミガメ・人物の顔の表現がわかります。
国宝 銅鐸
弥生時代・前2~前1世紀
島根県・加茂岩倉遺跡出土 文化庁蔵
笑った口元・歯が見えてとても微笑ましい表情です。
島根県指定文化財 摩多羅神坐像
覚清作 鎌倉時代・嘉暦4年(1329)
島根県・清水寺蔵
この他にもおすすめの作品がたくさんあります。
1089ブログでは、作品のみどころや研究員のおすすめについてもご紹介していきますので、どうぞお楽しみに!
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posted by 広報室 at 2012年10月10日 (水)