暑さも少し和らぎ、秋の訪れを感じられるようになってきました。
当館では9月26日(火)より、秋の恒例企画「博物館でアジアの旅」がはじまりました。
会場はアジア各地の美術品や考古遺物などを展示している東洋館です。
正門を入って右手にあるのが東洋館です。
東洋館入口もアジアの旅バージョンでお迎えします。
「博物館でアジアの旅」は毎年テーマを決めて、それにちなんだ作品を館内のいたるところに展示します。
今年のテーマは「アジアのパーティー」です。
展示室を巡りながら、アジア各地のパーティーにまつわるさまざまな作品をご覧いただけます。
東洋館内の様子
「アジアのパーティー」関連作品には目印にこの札をつけています。
展示の様子を一部ご紹介します。
パーティーに欠かせないものといえば、お酒ではないでしょうか。
3室に展示しているのは、リュトンとよばれるお酒を入れる器です。野生動物をかたどった酒器は西アジアでは青銅器時代から定番でした。
山羊頭形リュトンは鼻先に、動物形リュトンは両前足の先端に、それぞれ小さな孔(あな)があり、ワインなどの液体を注ぎ出す機能が備わっています。
山羊頭形リュトン(やぎがしらがたりゅとん)
イラン、ギーラーン地方 アケメネス朝時代・前6~前5世紀 東京国立博物館蔵 東洋館3室にて展示
動物形リュトン(どうぶつがたりゅとん)
イラン パルティア時代・前3~後3世紀 山内信和氏寄贈 東京国立博物館蔵 東洋館3室にて展示
パーティーでは音楽も楽しみたいものです。
5室で展示している、加彩楽人は竪琴や琵琶、太鼓を持って演奏する女性たちを表したやきものの人形です。
唐時代、死後の世界を豊かに過ごすため、人や動物、生活道具などをかたどったやきものが墓に納められました。
墓の主は死後の世界でも、楽団を傍らに宴を楽しんでいることでしょう。
加彩楽人(かさいがくじん)
中国 唐時代・7~8世紀 横河民輔氏寄贈 東京国立博物館蔵 東洋館5室にて展示
パーティーには、いわゆる「人生の節目」も含まれます。
13室では、結婚などのお祝い事や、悲しみにあふれる葬儀のときに大切な人を想ってつくられた、壮麗で華やかな染織作品をご覧いただけます。
(左から1番目)プルカリ(覆い布) 茶木綿地波形幾何文様刺繡(ぷるかり おおいぬの ちゃもめんじなみがたきかもんようししゅう)
インド・パンジャーブ 19~20世紀 岩佐静子氏寄贈
(左から3番目)死者の覆い布 赤カシミヤ地ペイズリー花文様(ししゃのおおいぬの あかかしみやじぺいずりーはなもんよう)
インド・カシミール 20世紀
両作品ともに東京国立博物館蔵、東洋館13室にて展示
東洋館インフォメーションでは、「博物館でアジアの旅 アジたびマップ2023」を数量限定で無料配布しています。
主な作品について展示場所を示したマップと解説を掲載しています。アジアの旅のお供にどうぞ。
さらに作品について詳しく知りたい方は、小冊子を販売しておりますので、
こちらもぜひご覧ください。
小冊子は本館、東洋館、正門プラザの各ミュージアムショップで販売しています。
その他、「博物館でアジアの旅」をより楽しむ関連イベントとして、アジ旅スペシャルトークや、ボランティアによるガイドツアーも開催します。

どうぞ足をお運びください。
カテゴリ:博物館でアジアの旅
| 記事URL |
posted by 長谷川悠(広報室) at 2023年09月27日 (水)