東洋館 第10室
2008年7月8日(火) ~ 2008年8月24日(日)
特集陳列「朝鮮染織・装身具」のシリーズ第2回は朝鮮王朝時代(1392~1910)の文人たちの衣服や日常生活に用いた道具などをご紹介いたします。
当時、高級官僚を輩出した支配層・両班(ヤンバン)たちには「ソンビ」とよばれる理想像がありました。それは、仁・義・礼・智・信の五つの徳、そして周囲との調和を重んじるという儒教的価値観をそなえ、清貧かつ風雅な文人生活を楽しむことでした。彼らが日常生活で、身につけた白を基調と した上衣や、生活空間である舎廊房(サランバン)に置かれた無駄な装飾のない質素な家具などに、その洗練された美意識が反映されています。
一方で、官服や戦服、祭服として、鮮やかな色の取り合わせの衣服を身につけました。これは陰陽五行に基づき、身分ごとに厳しく定められた配色であり、色彩の対比は独特の緊張感を生み出しています。
さらに、今回は「トル」とよばれる初めての誕生日を迎えた子供に着せる可愛らしい衣装も展示します。合わせてお楽しみください。
同シリーズの第1回、「朝鮮王朝時代の女性の生活と美」(2008年5月20日(火)~2008年7月6日(日))についてはこちらをご覧ください。