
2024年1月に発生した能登半島地震、さらに9月の奥能登地域における豪雨災害により被災された皆様に寄り添うべく、復興を支援する想いを込めた事業を実施します。
本事業は、東京所在の美術館・博物館が連携し、本事業趣旨に賛同する各館が自ら選んだ、復興を支援する想いを込めた文化財を石川県金沢市内各施設で展示する展覧会を2025年秋から開催するものです。また能登に生まれた桃山絵画の巨匠・長谷川等伯の国宝「松林図屛風」を題材とした映像コンテンツ事業や普及事業(訪問授業)を石川県内で開催を予定しております。 数百年の時を重ねて大切に守り伝えられてきた文化財の数々は、自然災害が絶え間なく襲う日本において、時に人々の安らぎの心を求める強い祈りが込められて造られてきたものです。そうした想いの詰まった文化財を、被災された皆様への励ましのメッセージとすることを本事業では目指します。
都内を中心とした30もの文化施設・個人などが所有する国宝3件・重要文化財20件・重要美術品1件を含む計86件の文化財が、各所蔵者からの復興への祈りのメッセージとともに石川県金沢市の3会場に集結します。
数百年の時を重ねて大切に守り伝えられてきた文化財の数々は、自然災害が絶え間なく襲う日本において、時に人々の安らぎの心を求める強い祈りが込められて造られてきたものです。そうした想いを被災された皆様へお届けできるよう、各会場では出品所蔵先からの励ましのメッセージも作品とあわせてご紹介いたします。
石川県立美術館 展示会場国宝「秋冬山水図」・重要文化財「湖畔」・「見返り美人図」といった東京国立博物館を代表する名品や、桃山時代の七尾出身の画家・長谷川等伯の作品、重要文化財「牧馬図屏風」など能登ゆかりの作品、また本事業趣旨に賛同する各文化施設等が復興を支援する想いを込めて選定した作品計43件(うち、国宝2件、重文14件、重美1件)が出品されます。
≪2023-06-27≫ 横尾忠則 令和5年(2023)ルノワールの「ばらをつけた女」(国立西洋美術館蔵)などの西洋の名画や、金沢で学生時代を過ごした、細田守(スタジオ地図)による「おおかみこどもの雨と雪」グラフィック、アーティスト・井上涼が実際に能登の地へ足を運んで取材・制作をした「ネコ耳をつけたウミネコのウネミちゃん」などの多彩なラインナップの作品計15件が展示される予定です。
重要文化財 遮光器土偶 青森県つがる市木造亀ヶ岡出土 縄文時代(晩期)・前1000~前400年重要文化財「遮光器土偶」(東京国立博物館蔵)といった有名考古作品から、国宝「秋草文壺」(慶應義塾蔵)をはじめ日本陶磁の名品、中国・南宋時代の官窯による青磁碗や、フランス・セーヴルで制作された「竹に透かし彫ティーセット」(三菱一号館美術館蔵)など、古今東西の人々の生活に寄り添い、時に憧れの的となった作品計28件(うち、国宝1件、重文6件)が集います。
本復興支援事業の一つの柱として、2025年9月から11月の期間で輪島市、七尾市、志賀町の各市町に所在する小中学校等教育機関計16校を訪問し、能登ゆかりの国宝「松林図屛風」の高精細複製品等を使用した普及事業(訪問授業)を実施し、期間中のべ約1,000人もの児童・生徒の皆様にご参加いただきました。複製品だからこそ出来る「松林図屛風」の魅力へのアプローチや、実際にミニ屏風を制作する創作体験、また一部の授業の中では考古作品の複製品などを実際に触って体感するプログラムも行い、長い歴史のなかで人々の生活が育んできたものを、守り、伝えていくことの意味をお伝えできるよう取り組みました。能登にゆかりのある文化財の複製品を用いたこの鑑賞体験が「地域の文化を守り伝える」心を育む機会となれば幸いです。
石川県七尾市内での普及事業実施の様子(2025年9月)
東京国立博物館が所蔵する国宝「松林図屛風」を高精細な画像でご覧いただけるデジタルコンテンツを制作しました。学校やご自宅など、いつでもどこでもご覧いただくことが可能です。
1. 松林図屏風3DCG
・ひらく、とじるの操作が可能です。
・松林図屏風の上のカーソル操作で拡大縮小したり、少し上や斜めから見ることができます。

2. 高精細デジタルビューアで鑑賞する
・「鑑賞する」をクリックすると、高精細デジタルビューアのページに移動します。
・高精細な松林図屏風のデジタルデータで、拡大縮小して細部まで見ることができます。


【推薦環境】
・10インチ以上の画面サイズ
・タッチ操作またはマウス等のポインティングデバイスによる操作が使えること。
・各ブラウザの最新のバージョンをご利用ください。
・すべてのOS・ブラウザ・デバイスで動作を保証するものではありません。あらかじめご了承ください。
石川県立美術館VRシアター『8K×国宝 いま見つめる「松林図屏風」』上映風景能登・七尾の地に生まれた長谷川等伯によって描かれ、多くの人々を魅了する国宝「松林図屛風」。
この能登の地とも縁の深い作品を通じて、被災された皆様へ復興への祈りと励ましの想いを届けられるよう、本支援事業のうち映像事業として東京国立博物館とNHKが共同で制作した3DCGを使用し、NHKが映像を制作したコンテンツ『8K×国宝 「いま見つめる松林図屏風」』(1回約30分・無料)を上映します。
令和7年3月の七尾市内での先行公開、また石川県七尾美術館での同作品の公開にあわせた上映に続き、石川県立美術館での展示事業会期(11/15~12/21)中、同館VRシアターでこちらの映像をご覧いただけます。
| 会場: | 石川県立美術館 VRシアター |
| 期間: | 2025年11月15日(土)~12月21日(日) |
| 上映時間: | 11時30分から、12時00分から、13時30分から 14時00分から、15時30分から、16時00分から |
| 各回: | 約30分 |
| 料金: | 無料 |
2025年1月6日
プレス発表を行いました。
プレスリリース:令和6年能登半島地震・令和6年奥能登豪雨復興支援事業「ひと、能登、アート。」 文化財(アート)がつなぐ。Art for the Noto Peninsula

東京国立博物館長 藤原誠
2025年3月14日
映像事業
本支援事業のうち映像事業として、『8K×国宝 いま見つめる「松林図屏風」』が当館とNHKにより共同制作されました。 今後の公開に先立ち、国宝 松林図屛風(東京国立博物館蔵)の作者・長谷川等伯の出身地でもある石川県七尾市で下記の日程にて初お披露目されます。 お近くの方々はこの機会にぜひご覧ください。
日時 2025年3月29日(土)10時~18時、2025年3月30日(日)10時~14時
会場 矢田郷地区コミュニティセンター(石川県七尾市本府中町ヲ部38番地)
内容 8Kデジタル化された「松林図屏風」をめぐる著名人のトークを通して、その不思議な魅力に迫る映像(約30分)を時間中に繰り返し上映
2025年4月1日
普及事業
本支援事業では、石川県出身の画家・長谷川等伯が描いた作品、国宝「松林図屛風」(東京国立博物館所蔵)の高精細複製品等を使用した普及事業(訪問授業)の実施を予定しています。 このたび石川県内の教育機関に同事業への参加募集を行い、輪島市、七尾市、志賀町の各市町に所在する小中学校等教育機関計16校へ伺うこととなりました。
この訪問授業が、少しでも被災された地域の皆様への励ましとなることを願うとともに、 石川県そして能登にゆかりのある文化財の複製の鑑賞を通じて「地域の文化を守り伝える」心を育むことに繋がる機会となれば幸いです。
同事業は展示事業に先立ち2025年9月から11月の期間で実施予定です。
実施状況などはあらためて本ウェブページ等でご報告させていただきます。
鑑賞プログラム「見て、感じて、楽しむ松林図屏風」実施イメージ
体験プログラム「自分だけの松林図屏風をつくってみよう!」実施イメージ

各会場の入館、入場方法などの詳細は各館の公式サイトなどでご確認下さい。
| 開催期間: | 2025年11月15日(土)~12月21日(日) |
| 開館時間: | 9時30分~18時00分 (注)入室は17時30分まで |
| 休館日: | 会期中無休 |
| 開催期間: | 2025年12月13日(土)~2026年3月1日(日) |
| 開館時間: | 10時00分~18時00分(金曜日、土曜日は20時00分まで) |
| 休場日: | 月曜日(ただし1月12日、2月23日は開場)、12月30日から1月1日、1月13日、2月24日 |
| 開催期間: | 2025年12月9日(火)~2026年3月1日(日) |
| 開館時間: | 9時30分~17時30分 (注)入室は17時00分まで |
| 休館日: | 月曜日(ただし1月12日、2月23日は開館)、年末年始(12月28日~1月1日)、1月13日、2月24日 |
2025年9月から11月の期間、輪島市、七尾市、志賀町の各市町に所在する小中学校等教育機関計16校で実施しました。
| 会場: | 石川県立美術館 VRシアター |
| 期間: | 2025年11月15日(土)~12月21日(日) |
| 上映時間: | 11時30分から、12時00分から、13時30分から 14時00分から、15時30分から、16時00分から |
| 各回: | 約30分 |
| 料金: | 無料 |
石川県立美術館、金沢21世紀美術館、国立工芸館、石川県、金沢市、東京国立博物館
北國新聞社
MRO北陸放送、テレビ金沢、HAB北陸朝日放送、石川テレビ放送、北陸中日新聞、朝日新聞社、NHK、産経新聞東京本社、東京新聞、日本経済新聞社、毎日新聞社、読売新聞東京本社
050-5541-8600(ハローダイヤル)
(注)会期、会場等は事情により変更の可能性があります。