本館 14室
2024年5月28日(火) ~ 2024年7月15日(月・祝)
紀伊山地に位置する吉野と熊野は、ともに日本を代表する山岳霊場として知られており、平成16年(2004)には「紀伊山地の霊場と参詣道(さんけいみち)」の一部として世界文化遺産に登録されました。それから20年目を迎える本年、当館が所蔵する那智山経塚(なちさんきょうづか)出土品、金峯山(きんぷせん)経塚出土品のコレクションに、吉野・大峯信仰の拠点である奈良・大峯山寺(おおみねさんじ)所蔵の大峯山頂出土品を加えて、これらを一堂に展観し、修験道(しゅげんどう)の生み出した特色ある造形の世界を提示します。
担当研究員の一言
総合文化展の中でも折々展示しておりますが、東京国立博物館には、大峯山寺(おおみねさんじ)の山上本堂附近から出土した金峯山経塚(きんぷせんきょうづか)出土品、那智の瀧の下、飛瀧(ひろう)神社の鳥居の辺りから出土した那智山経塚出土品が多数所蔵されています。また、大峯山寺より、大峯山頂出土の遺物を多数お預かりしております。本展示では、これらのうちから厳選した60件を展観します。大峯奥駆道(おくがけみち)が繋ぐ二つの聖地に捧げられた祈りの造形の競演を、この機会にご観覧いただければ幸いです。/清水健