本館 15室
2023年6月20日(火) ~ 2023年8月20日(日)
博物図譜は、動植物を絵と文で説明した書物のことをいいます。江戸時代後期、大名、絵師、そして医師たちは、身分や地域をこえて動植物を研究する同好会を開き、多くの博物図譜をつくりました。
本特集では、博物図譜のなかから、幕府奥医師の栗本丹洲(1756~1834)が著した『千虫譜』(文化8年〈1811〉序)に注目します。虫譜は虫の図譜のことで、『千虫譜』は日本で最初の虫譜といわれています。原本は現存していませんが、東京国立博物館には同書の原図と思われる作品や写本、『千虫譜』を参考にしてつくられた虫譜を所蔵しています。
丹洲の著した『千虫譜』には、ユニークでかわいらしい絵に添えて、その虫をいつ、誰から、何をきっかけに入手したかなどの記録が書き込まれています。本特集では、絵を楽しみながら、虫譜づくりの舞台裏をのぞいてみましょう。
生き物のエネルギーが満ちあふれる夏に、当館のコレクションのひとつである博物図譜に親しんでいただけますと幸いです。