東洋館 8室
2020年7月7日(火) ~ 2020年8月16日(日)
林宗毅(はやしむねたけ)氏 (号・定静堂(ていせいどう)、1923~2006)は、台湾の三大名家の第一に挙げられる板橋(新北市板橋区)の林本源家(りんほんげんけ)出身の実業家です。学問・芸術を尊重する「書香世家(しょこうせいか)」の家風を受け継ぎ、中国書画の収蔵家としても活躍されました。
林氏は1948年に国立台湾大学文学院を卒業されました。その後、日本に留学されて1953年には東京大学大学院を修了、1973年にこれまで親しまれた日本に帰化されました。また、自ら収集した中国書画の図録を刊行されるなど、斯学の発展にも尽力されました。
林氏の定静堂コレクションは明清時代から近代に至る約1000点におよび、林氏はこれらを生前に東京国立博物館、台北・國立故宮博物院、大阪・和泉市久保惣記念美術館に寄贈されました。当館では、1983、1990、2001、2003年にわたって中国書跡83件、中国絵画140件を受贈し、中国書画コレクションの大きな柱となっています。
2020年7月で2度目の寄贈から30年を迎えることを記念し、当館の定静堂コレクションから中国書画の優品を展示し、林宗毅氏のご功績にあらためて深甚の敬意を表します。本展を通して、林氏の芸術文化に対するご見識とご熱意にふれていただけますと幸いです。