わたしたちの使命は、東京国立博物館が所蔵するおよそ11万件の文化財の保存と公開です。保存と公開の両立を図るためには、包括的な保存が必要となります。それは、長期的な見通しの下で予防と修理を的確に実践することです。
わたしたちは、これまでの経験と最新の研究成果を用いた臨床保存の実践を通じて、文化財に生じた劣化・損傷の診断と修理、保存環境の把握と改善など、診 断・予防・修理に日々取り組みながら、包括的保存の実現を目指しています。
温湿度管理
湿度変化に弱い文化財の展示には、展示ケース内の湿度を一定に保つ。展示する文化財に適した湿度となる調湿剤をケースに入れる。
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有害生物管理
文化財についている虫を駆除(くじょ)するための「燻蒸(くんじょう)」。当館では、二酸化炭素を用いている。
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空気環境管理
鉄刀に銀をはめ込んで表現した文字や図柄、これらをサビから守るために、窒素を入れたケースで、展示と保存を両立する(平成館1階・考古展示室)。
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照度管理
色あせしやすい染料が用いられた浮世絵版画や染織品にとって、光は大敵。最もデリケートな文化財は、50ルクスの明るさで展示(浮世絵版画、本館2階・10室)。
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当館では、保存のためジャンルごとに1年当りの展示期間を決めている。 |
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