緙絲 黄白段花蝶鳳凰鹿文様
中国 元時代・13~14世紀
東洋館 5室
2025年3月25日(火) ~ 2025年6月15日(日)
緙絲(こくし)とは、日本の綴織にあたる織りの技法です。経糸と緯糸が交互に浮き沈みする、もっともシンプルな平織を用いながら、下絵に合わせ、多くの色糸を使い絵画のように自由な文様を織り上げていきます。緙絲では、色糸の境目にしたがい、緯糸を折り返すため、ところどころに「ハツリ」と呼ばれる、糸同士の隙間が見られます。また、密に織り入れられた緯糸で、経糸が覆い隠されるのも特徴です。文様にそって、まるで色糸を嵌め込むように織り上げるため、「通経断緯」とも称されます。
中国における緙絲の起源は古く、唐時代にまでさかのぼりますが、10世紀以後、宋時代に大きな発展を遂げました。まるで一幅の絵画作品のように、緻密で色彩に富んだ、花鳥や山水をあらわした緙絲が織られるようになります。この展示では、散りばめられた花や葉の中に鳥獣や瑞獣を織り表わした元時代、明時代の緙絲を展示いたします。中国においては、自由に飛び回る鳳凰や龍、獅子は伝統的な吉祥文様であり、また、牡丹は富と高い地位を象徴する代表的な花です。緙絲特有の織りの風合いを、さまざまな文様とともにご覧ください。
指定 | 名称 | 員数 | 作者・出土・伝来 | 時代・年代世紀 | 所蔵者・寄贈者・列品番号 | 備考 | |
緙絲 白地花卉鳥獣文様 | 1枚 | 中国 | 明時代・16~17世紀 | TI-150 | |||
おすすめ | 緙絲 黄白段花蝶鳳凰鹿文様 | 1枚 | 中国 | 元時代・13~14世紀 | TI-554 | ||
おすすめ | 緙絲 紫地龍文様 | 1枚 | 中国 | 元時代・13~14世紀 | TI-519 | ||
緙絲 紅地牡丹龍鳳凰花鳥鹿文様 | 1枚 | 中国 | 元時代・13~14世紀 | TI-552 | |||
緙絲 黒地獅子唐草文様 | 1枚 | 中国 | 元時代・13~14世紀 | TI-518 | |||
緙絲 牡丹鳳凰文様 | 1枚 | 中国 | 明時代・16~17世紀 | TI-68 | |||
弓籠手 金地雲牡丹山茶花瑞鳥模様 | 1具 | 緙絲:中国 弓籠手:日本 蜂須賀家伝来 | 緙絲:清時代・18~19世紀 弓籠手:江戸時代・18~19世紀 | I-4444 |