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おひなさまと日本の人形

  • 『古今雛 江戸時代・19世紀 山本米子氏寄贈』の画像

    古今雛 江戸時代・19世紀 山本米子氏寄贈

    本館 14室
    2011年2月22日(火) ~ 2011年4月24日(日)

     3月3日は桃の節句と呼ばれ、女の子の健やかな成長を祈る雛祭(ひなまつ)りです。雛祭りに人形を飾ってお祝いする行事がいつ頃から始まったのかはわか りませんが、少なくとも江戸時代前期には年中行事となっていたようです。貞享年間(1684~88)の『江戸鹿子(えどかのこ)』によれば中橋・尾張町一 丁目・十軒店(じっけんだな)・人形町・麹町四丁目などで雛市(ひないち)が立ったといいます。

    江戸時代前期は紙製の立雛(たちびな)が主流でしたが、江戸時代中期以降は、彩り鮮やかな裂を縫い合わせた衣装を着た坐り雛(すわりびな)が飾られるよ うになりました。室町時代の風俗を写したといわれる室町雛、重ねられた錦が華やかな享保雛(きょうほうびな)、関西で人気の丸顔の次郎左衛門雛(じろうざ えもんびな)、江戸好みの面長な顔立ちの古今雛(こきんびな)などです。今では、雛壇には一対の内裏雛と三人官女、右大臣・左大臣に白丁、五人囃子を飾る ことが普通ですが、江戸時代後期の雛壇には、いくつものお内裏さまやお雛さまを飾ったり、京都の伝統工芸として知られる御所人形や加茂人形、地方色豊かな 郷土の人形なども一緒に並べたりして、とてもにぎやかだった様子が浮世絵などからうかがえます。繊細な細工が施された人形や雛道具には、ミニチュアをいつ くしむ日本人の国民性があらわれています。

 主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
箪笥 紫檀象牙細工蒔絵雛道具 江戸時代・19世紀 三谷てい氏寄贈
立雛 次郎左衛門頭 江戸時代・18世紀
雛道具 三ツ葉葵紋付 出雲松江藩松平家伝来 江戸時代・19世紀 松平直亮氏寄贈

関連事業

<ギャラリートーク>   雛人形の歴史
本館 14室  2011年3月1日(火)   14:00~14:30   終了