平成館 企画展示室
2009年6月16日(火) ~ 2009年7月26日(日)
15世紀以降、ヨーロッパ諸国による世界周航が始まると、その探検や調査によって得られた情報や知見に基づ いて世界地図が作られるようになりました。アジアへのキリスト教布教をめざしたイタリア人宣教師マテオ・リッチ(利瑪竇(りまとう))が17世紀初頭に中 国国内で制作した「坤輿万国全図(こんよばんこくぜんず)」はその代表的な例です。西欧人による地図は、戦国の動乱から抜け出して天下統一がなされ、より 広い世界との交流を始めた日本にももたらされ、地理的知識の普及に大きな役割を果たしました。また、江戸時代になって社会が安定すると、測量や地理的な情 報の収集によって日本列島自体の姿も的確に捉えられるようになり、日本地図も国内でさかんに作られました。
今回は、昨年当館にご寄贈いただいた屏風の「坤輿万国全図」を初めて公開するとともに、江戸時代に制作された世界図や日本図をご紹介します。西欧人は日 本をどのように捉え、描いたのでしょうか。当時の人々の世界像にもご注目ください。