本館 4室
2026年9月1日(火) ~ 2026年10月25日(日)
「能面のような」という言葉を聞いたことはありますか?能面は表情が変わらず、特に小面(こおもて)などの女性役の面(おもて)は、一見すると感情をあらわしていないように見えるため、「無表情」や「表情に乏しいこと」を意味します。けれども、実際の能面は表情豊かなかたちのものもあり、また、演じている際は、決して無表情ではありません。能に登場する人物には役柄があり、その人物の性格や心情が設定されています。舞台上で演じる能楽師のしぐさなどで、さらにその役柄が際立ち、物語を盛り上げます。役者はその役にふさわしい面を選んで演じるため、面にも気持ちがあらわれ、観客もそれを読み取ることができます。
くわえてこの展示では、ひとの顔を造形した能面のうち、老人の姿であらわされる翁(おきな)や、恐ろしい表情の顰(しかみ)にはじまり、美しい女性から、怒りや悲しみで蛇に変化する女面、金色の肌で両目をむいた大飛出(おおとびで)まで、表情豊かで多彩な面をご覧いただきます。
能楽では演目にあわせて多種多様な能面が使われます。これらをじっくり見ながら、能面の「表情」から、どのような役を演じ、どのような気持ちが表現されるのか、想像して楽しんでいただければ幸いです。
担当研究員の一言
能面の表情をじっくり見たことはありますか?
ひとの表情には、気持ちや性格が表れます。それは能面でも同じこと。
「あなたはどんなきもちの、どんな役?」と問いかけながら、いろんな角度から、能面と向き合ってみてください。無表情の代名詞とされる能面たちが、豊かな表情を見せてくれるはずです。/川岸 瀬里
