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明末清初の書画―乱世にみる夢―

  • 『書画冊倪元璐筆 中国 明時代・崇禎12年(1638) 高島菊次郎氏寄贈 (2026年2月8日まで展示)』の画像

    書画冊
    倪元璐筆 中国 明時代・崇禎12年(1638) 高島菊次郎氏寄贈 (2026年2月8日まで展示)

    予告

    東洋館 8室
    2026年1月1日(木・祝) ~ 2026年3月22日(日)

    本展示は、台東区立書道博物館との連携企画第23弾として開催します。

    中国の明末清初(みんまつしんしょ)(17世紀前後)は、漢民族が統治する明(1368~1644)から満洲族による清(1616~1912)へと王朝が交替した激動の時代です。

    書画をよくした漢民族の文人たちは、王朝の滅亡に際して、自らの立場の選択を迫られました。明と運命をともにして殉じた烈士(れっし)、清に抵抗する姿勢を貫き、当地で明への忠節を尽くした遺民(いみん)、海を渡った日本への亡命者、そして汚名を顧みず、清に降伏して明清両朝に仕えた弐臣(じしん)。彼らは不安定極まりない社会情勢のもと、それぞれの立場で葛藤を抱えて生涯を全うし、ときに胸中の複雑な想いを筆墨に託して、強烈な個性を発揮した書画に昇華させました。

    この時期の書画には、金による装飾を施した料紙の金箋(きんせん)、滑らかで光沢のある絹織物の絖(ぬめ)など、煌びやかな材質の紙・絹が好んで用いられました。また、縦長の大きな長条幅(ちょうじょうふく)、扇形の扇面などの画面形式も流行します。「奇」すなわち独創性を重んじる風潮などを背景として、古典の様式をふまえながらも、連続する文字を一筆で書き連ねた連綿草(れんめんそう)や、デフォルメされた奇怪な造形といった、素材・形式を効果的に活かした新奇な作風を築いたものが少なくありません。

    本特集では、明末清初の個性豊かな書画を、素材・形式と作風、そして作者の立場にも注目しながらご紹介します。乱世に生きた文人たちが、あたかも「夢―願望・空想・迷い・儚さ」をみるかのように、書画に表そうとした多様なイメージをご覧ください。

    前期=2026年1月1日~2月8日
    後期=2026年2月10日~3月22日
    作品リストに前期、後期の記載がない作品は通期展示

    担当研究員の一言

    毎年恒例の台東区立書道博物館との連携企画。23回目となる今回は、明末清初という動乱期の書画をご紹介します。両館で個性あふれる圧倒的な表現をご堪能ください。/六人部克典

主な出品作品

(注)所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。

行草書西園雅集図記軸 12幅 張瑞図筆 中国 明時代・17世紀 (~2026年2月8日)

花卉雑画図巻 1巻 徐渭筆 中国 明時代・万暦3年(1575) 高島菊次郎氏寄贈  (~2026年2月8日)

行草書羅漢賛等書巻 1巻 董其昌筆 中国 明時代・万暦31年(1603) 高島菊次郎氏寄贈 (2026年2月10日~)

草書七言絶句軸 1幅 八大山人筆 中国 清時代・17~18世紀 (~2026年2月8日)

行書五言律詩軸 1幅 王鐸筆 中国 明~清時代・17世紀 青山杉雨氏寄贈 (2026年2月10日~)

書画冊 1冊 倪元璐筆 中国 明時代・崇禎12年(1638) 高島菊次郎氏寄贈 (~2026年2月8日)

江山臥遊図巻 1巻 程正揆筆 中国 清時代・康熙元年(1662) 高島菊次郎氏寄贈 (~2026年2月8日)

草書千字文巻 1巻 朱舜水筆 日本 江戸時代・寛文3年(1663) 池田大四郎氏寄贈  (~2026年2月8日)

山水図巻 1巻 楊文聰筆 中国 明時代・崇禎元年(1628) 高島菊次郎氏寄贈  (2026年2月10日~)

 
 

 

 

チラシ

明末清初の書画―乱世にみる夢―

東京国立博物館・台東区立書道博物館 連携企画 明末清初の書画

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