本館 14室
2019年6月25日(火) ~ 2019年9月16日(月・祝)
東京国立博物館は、明治18年(1885)に沖縄県より購入した琉球資料や個人から寄贈いただいたものなど、およそ20件の沖縄のやきもの「やちむん」を収蔵しています。
その中心となるのは那覇市壺屋で焼かれた壺屋焼(つぼややき)で、色絵(沖縄でいう「上焼(ジョウヤチ)」)の生産が隆盛した18世紀後半から19世紀の優品です。多くは使用された形跡がほとんどなく、とても良い状態で残っています。それらは、壺屋焼に特徴的な濃緑色を呈した釉(「オーグスヤー」)のほか、珍しい水色の上絵具が多用されていたり、沖縄の食と生活文化を裏づけるようにのびやかで生命力にあふれる絵付けや独特の形のものがみられたりするなど、たいへん貴重な資料といえます。
さらに、近年の修理事業をきっかけに、明治18年購入の琉球資料のなかに清王朝の「道光(どうこう)年製」、「咸豊(かんぽう)年製」の銘款(めいかん)が施された中国磁器が含まれていたことが確認されました。それらの琉球伝世の意義も含め、いままでまとまって公開されることのなかった「トーハクのやちむん」の魅力をたっぷりとお楽しみください。