国宝 六道絵(阿修羅道)(部分)
鎌倉時代・13世紀 滋賀・聖衆来迎寺蔵
本館 2室
2025年6月17日(火) ~ 2025年7月21日(月・祝)
「六道」とは、仏教で説かれる6つの世界のことです。生きとし生けるものには必ず死が訪れます。その時、生前の行ないにより、六道いずれかの世界に生まれ変わります。天道、人道、阿修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道からなる六道は、いずれも苦しみや迷いに満ちた世界です。こうした悪道から抜け出し、極楽へ往生することを人びとは願いました。
平安時代半ば、比叡山の恵心僧都源信が記した『往生要集』はこうした六道世界を詳細に説き、以後の日本における他界観 (死後の世界のあり方) に決定的な影響を与えました。『往生要集』に基づく「六道絵」のなかでも、六道全てを描いた現存する最古の作例が本作です。比叡山のふもとの天台宗寺院・聖衆来迎寺に伝来しました。
全15幅の六道絵のうち、今回展示しているのは阿修羅道の1幅です。画面下部には海底にあるという阿修羅の宮殿の様子が描かれます。帝釈天に打ち勝ったとの報告を聞いた阿修羅宮の女性たちが真実を映す池をのぞくと、実は阿修羅の大敗が分かり絶望するという場面です。 この阿修羅道は争いや戦いに満ちた世界で、心の迷いや執着心を持つ者が行く世界です。こうした世界に行かないよう、人びとは日頃の行ないを振り返ったことでしょう。
指定 | 名称 | 員数 | 作者・出土・伝来 | 時代・年代世紀 | 所蔵者・寄贈者・列品番号 | 備考 | |
おすすめ | 国宝 | 六道絵(阿修羅道) | 1幅 | 鎌倉時代・13世紀 | 滋賀・聖衆来迎寺蔵 |