国宝 金光明最勝王経金字宝塔曼荼羅 第一幀(部分)
平安時代・12世紀 岩手・大長壽院蔵
本館 2室
2024年2月14日(水) ~ 2024年3月10日(日)
紺色に染められた紙に、大きな金色の塔がそびえたっています。この塔をよく見てください。小さな文字がびっしりと記されていることに気付きます。これは『金光明最勝王経』という経典の文字を写したもので、文字の連なりによって塔の形を表わしているのです。塔の周囲には、金泥に赤や緑、白などの様々な絵の具を使って、経典の内容が細やかに描かれています。
このように経典の文字を連ねることで塔を表わした作品を「宝塔曼荼羅」と呼んでいます。巻物に経を写すのではなく、このような大画面に経典の内容を絵画化したところに大きな特徴があります。
『金光明最勝王経』は国を守護する経典とされ、全十巻から成ります。一幀に一巻をあてた全十幀すべてが現存している大変貴重な作例です。本作の伝わった大長寿院は、岩手県平泉の中尊寺の支院です。中尊寺は平安時代後期、東北地方を支配下におさめていた奥州藤原氏によって再興されました。本図は平安時代後期、平泉における仏教文化の水準の高さを示す作例です。
指定 | 名称 | 員数 | 作者・出土・伝来 | 時代・年代世紀 | 所蔵者・寄贈者・列品番号 | 備考 | |
おすすめ | 国宝 | 金光明最勝王経金字宝塔曼荼羅 第一幀 | 1幀 | 平安時代・12世紀 | 岩手・大長壽院蔵 | ||
おすすめ | 国宝 | 金光明最勝王経金字宝塔曼荼羅 第四幀 | 1幀 | 平安時代・12世紀 | 岩手・大長壽院蔵 |