国宝 十二天像(羅刹天)
平安時代・9世紀
奈良・西大寺蔵
本館 2室
2021年9月7日(火) ~ 2021年10月3日(日)
十二天は、もとはインドのヒンドゥー教の自然神などでした。密教では8つの方角を守る帝釈天(東)・閻魔天(南)・水天(西)・毘沙門天(北)・伊舎那天(北東)・火天(南東)・羅刹天(南西)・風天(北西)の八方天に、天・地の梵天・地天、さらに天体の代表として日天・月天を加えて十二の天部とされました。本図を含む西大寺伝来の画像は、現存する十二天画像の最古の作例です。鳥や獣の上に坐した堂々とした体つきの天部を画面いっぱいに描き、その左右に小さく眷属を描くことや、朱や緑を基調にした明快な色の組み合わせなどに唐代絵画の影響が色濃くみられ、初期密教絵画の代表作として知られています。羅刹天は、もともとは悪鬼の首領で、あらゆる不幸を象徴する神で罪悪の化身ともされます。しかし、この図のように、十二天としての羅刹天は甲冑を身に着け、剣を持ち、獅子に乗った姿は悪鬼ではなく、護方神にふさわしい力強い頼もしさが感じられる表現となっています。
指定 | 名称 | 員数 | 作者・出土・伝来 | 時代・年代世紀 | 所蔵者・寄贈者・列品番号 | 備考 | |
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