重要文化財 寒山拾得図軸(部分) 伝顔輝筆 中国 元時代・14世紀
東洋館 8室
2020年8月18日(火) ~ 2020年9月22日(火・祝)
仏教で礼拝の対象となった観音や羅漢(らかん)、禅の世界で愛された寒山(かんざん)・拾得(じっとく)、道教で信仰された寿老人や鍾馗(しょうき)など、仏・聖者・仙人・神を描いた絵画である、道釈(どうしゃく)人物画を展示します。
神や仏たちは、異形の姿や奇怪な容貌をとったり、不可思議な振る舞いをしたりすることで、内に秘められた超人的な力や優れた聖性を示してきました。その図像は、それぞれ個性的で変化に富んでいます。また、画家たちは、彩色法や墨の階調、筆線を工夫することで、みる人を惹きつけ、崇拝や畏敬の念を抱かせる作品を作ろうと努力を重ねてきました。
例えば、宋時代の観音や羅漢は、迫真的な肉体表現と人間味のある表情を特徴とします。彼らは複雑な色調で細緻な文様がほどこされた衣をまとい、壮麗(そうれい)で厳粛(げんしゅく)な雰囲気を伝えています。また、元時代には、顔輝(がんき)や蔡(さい)山(ざん)といった怪奇(かいき)趣味(しゅみ)の画家たちが活躍します。彼らは墨の濃淡や線の変化によって顔や手足のしわを誇張し、生々しい彩色を加えた、不気味な表現を得意としました。明から清時代にかけては、諧謔味(かいぎゃくみ)のある神仏の姿を軽やかな筆線でとらえた作品も多く描かれます。宋から清時代にかけてのさまざまな道釈人物画をお楽しみください。
指定 | 名称 | 員数 | 作者・出土・伝来 | 時代・年代世紀 | 所蔵者・寄贈者・列品番号 | 備考 | |
おすすめ | 重文 | 寒山拾得図軸 | 2幅 | 伝顔輝筆 中国 | 元時代・14世紀 | TA-148 | |
おすすめ | 重文 | 千手観音図軸 | 1幅 | 筆者不詳 中国 | 南宋時代・13世紀 | 岐阜・永保寺蔵 | |
おすすめ | 国宝 | 十六羅漢図軸(第二尊者) | 1幅 | 筆者不詳 中国 | 北宋時代・10~12世紀 | 京都・清凉寺蔵 | |
国宝 | 十六羅漢図軸(第八尊者) | 1幅 | 筆者不詳 中国 | 北宋時代・10~12世紀 | 京都・清凉寺蔵 | ||
国宝 | 十六羅漢図軸(第六尊者) | 1幅 | 筆者不詳 中国 | 北宋時代・10~12世紀 | 京都・清凉寺蔵 | ||
重文 | 十六羅漢図軸(第二尊者) | 1幅 | 金大受筆 中国 | 南宋時代・12世紀 | TA-298-1 | ||
おすすめ | 重文 | 羅漢図軸 | 1幅 | 蔡山筆 中国 | 元時代・14世紀 | TA-146 | |
重美 | 寿星図軸 | 1幅 | 筆者不詳 中国 | 元時代・14世紀 | TA-349 | ||
重文 | 天帝図軸 | 1幅 | 筆者不詳 中国 | 元時代・14世紀 | 東京・霊雲寺蔵 | ||
寒山拾得蝦蟇鉄拐図軸 | 4幅 | 伝劉俊筆 中国 | 明時代・16世紀 | TA-89 | |||
十八応真図巻 | 1巻 | 常瑩筆 中国 | 明時代・天啓6年(1626) | 個人蔵 | |||
五百羅漢図巻 | 1巻 | 筆者不詳 中国 | 明~清時代・17~18世紀 | 個人蔵 | |||
羅漢図軸 | 1幅 | 筆者不詳 中国 | 明~清時代・17~18世紀 | 市河三兼氏寄贈 TA-21 | |||
観音図冊 | 1帖 | 杜菫款 中国 | 明時代・16~17世紀 | 宮崎光太郎氏寄贈 TA-130 | |||
鍾馗図冊 | 1帖 | 周傑筆 中国 | 清時代・18~19世紀 | 林宗毅氏寄贈 TA-486 |