国宝 法華経一品経 妙荘厳王本事品(慈光寺経)(部分) 鎌倉時代・13世紀 埼玉・慈光寺蔵
本館 2室
2017年9月26日(火) ~ 2017年10月22日(日)
「一品経」は法華経の各章である「品」を一巻ずつ経典に仕立てたもので、通常、法華経二十八品に加えて、開経の無量義経、結経の観普賢経などを含む場合が多く、この経も全部で三十三巻から成ります。金銀の切箔、砂子などを散らした料紙に金銀泥による絵や文字を隠しこんだ芦手などを交えています。
付属している鎌倉時代後期の目録によれば、後鳥羽上皇や皇后宜秋門院、関白藤原兼実など皇族や高位の貴族・僧侶がそれぞれの巻を書写したと記されています。このように法華経の功徳を願って、多くの人が分担して書写するのを結縁経(けちえんきょう)と称し、広く当時の社会で行われました。平安時代後期、平清盛を始めとする平家一門によって厳島神社に奉納された「平家納経」はその例です。この経は、それに続く鎌倉時代前期の繊細優美で技巧的な装飾経典の代表と言えます。
指定 | 名称 | 員数 | 作者・出土・伝来 | 時代・年代世紀 | 所蔵者・寄贈者・列品番号 | 備考 | |
おすすめ | 国宝 | 法華経一品経 妙荘厳王本事品(慈光寺経) | 1巻 | 鎌倉時代・13世紀 | 埼玉・慈光寺蔵 |