Language
土佐家資料から,像主は足利義政,筆者は土佐光信(1521没?)に比定される。大和絵の画家らしい端正な画法は,静かな意志の備わった顔貌を描く細やかな筆使いや,宋画風の周文系山水図を丁寧に学んだと思われる襖絵の瀟洒な趣に現われて,ともに画家の優れた技量を窺わせる。傍らの蒔絵の鏡台は,絵の背景を想像させて興味深い。