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東京国立博物館140周年特集陳列 松永耳庵の茶道具

  • 『重要美術品 大井戸茶碗 有楽井戸 朝鮮 朝鮮時代・16世紀 松永安左エ門氏寄贈』の画像

    重要美術品 大井戸茶碗 有楽井戸 朝鮮 朝鮮時代・16世紀 松永安左エ門氏寄贈

    本館 4室
    2012年11月27日(火) ~ 2013年2月24日(日)

    松永安左エ門氏(まつながやすざえもん、1875~1971)は、長崎県壱岐に生まれ、慶応義塾に学んだのち、九州電灯鉄道・東邦電力等を率いて、戦前戦後を通じて電力界の重鎮として活躍されました。氏が茶の湯を始めたのは還暦を迎えてからで、『論語』の「六十にして耳順(したが)う」にちなんで耳庵(じあん)という号を名乗るようになります。埼玉県柳瀬村(現所沢市)に山荘「柳瀬荘」を営んで、益田鈍翁(ますだどんのう、1848~1938)や、原三渓(はらさんけい、1868~ 1939)といった我が国の近代茶の湯の主導者たちと広く交流をもち、古美術品の蒐集においても強く影響を受けました。当時の数寄者たちは、蒐集した美術品を茶席へ惜しみなく用いて取り合わせを楽しむ茶の湯を展開し、耳庵氏もまた、古くからの概念にとらわれない、自由で豪快な茶の湯スタイルを受け継いでいきました。

    東京国立博物館蔵の「松永コレクション」は、第二次世界大戦前に氏が蒐集し、昭和22年(1947)に氏のご意志によってご寄贈いただいたものです。今回の特集陳列では、蒐集家としての名を一躍有名にするきっかけとなった≪文琳茶入 銘 宇治≫(ぶんりんちゃいれ めい うじ)をはじめ、先達・鈍翁に競り勝って手に入れた≪大井戸茶碗 有楽井戸≫(おおいどちゃわん うらくいど)など、松永コレクションを代表する茶道具を一堂に会し展示しています。氏が茶の湯を通じて蒐集、愛好した名品の数々をご堪能ください。

     

    担当研究員の一言

    松永コレクションの名品を取り合わせました。ぜひ耳庵の茶会を想像しながらお楽しみください。/横山梓


 主な出品作品
*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
重要美術品 大井戸茶碗 有楽井戸 朝鮮 朝鮮時代・16世紀 松永安左エ門氏寄贈
文琳茶入 銘 宇治 中国 南宋~元時代・13世紀 松永安左エ門氏寄贈

関連事業

平成館 大講堂  2013年2月16日(土)   13:30 ~ 15:00   当日受付