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1089ブログ

本館展示室の解説リニューアル

こんにちは、平常展調整室の金井と申します。
12月ももう半ば。上野の紅葉は少し遅めでしたが、今ちょうど銀杏が美しく色づいています。

本館外観 構内の紅葉の様子
本館外観と当館構内の紅葉の様子

さて今年の9月より、本館2階「日本美術の流れ」の入り口デザインと、
本館の各展示室入口に設置している解説文を順次リニューアルしています。

本館1室入口のリニューアル前 本館1室入口のリニューアル後
本館1室入口のリニューアル前(左)と後(右)

本館1室入口のリニューアル前 本館1室入口のリニューアル後
本館1室入口のリニューアル前(上)と後(下)

本館7室「屏風と襖絵」入口のリニューアル前 本館7室「屏風と襖絵」入口のリニューアル後
本館7室「屏風と襖絵」入口のリニューアル前(左)と後(右)

本館7室「屏風と襖絵」入口のリニューアル前 本館7室「屏風と襖絵」入口のリニューアル後
本館7室「屏風と襖絵」入口のリニューアル前(上)と後(下)

今回のリニューアル、ポイントは2つあります。

1つめ、文面は昨今の研究状況や当館にいらっしゃる多様なお客様を念頭に、各部屋の展示担当者がすべて新しく書き改めました。
どの解説も日本語に加え、英文、中文、韓文の4か国語表記にしています。
それぞれ言語の文化的背景に合わせて、当館の国際交流室が適切な説明を補足していますので、語学堪能な方は、読み比べていただくのも面白いかもしれません。

2つめはデザインです。
暗いところでの視力が弱い方や、視覚過敏の方にもなるべく読みやすいよう、当館デザイン室のデザイナーが行間やサイズ、レイアウトなどを工夫し、フォントも試験的にユニバーサルデザインフォント(UDフォント)など線の肥痩の少ないものを導入しました。

リニューアル以前のフォント 新しく導入したフォント
リニューアル以前のフォント(左)と新しく導入したフォント(右)

リニューアル以前のフォント 新しく導入したフォント
リニューアル以前のフォント(上)と新しく導入したフォント(下)

現在本館2階「日本美術の流れ」はすでに更新完了、1階も来年3月の13室リニューアルオープンに合わせて新しくする予定です。

ぜひみなさまの目で、新しくなった解説パネルをご確認ください!

【参考:今回導入したフォント】
タイトル数字:Avenir Next Demi Bold
日文:ヒラギノUD角ゴStdN W3
英文:Avenir Next R
中文:Noto Serif SC R
韓文:NanumSquareOTF R

カテゴリ:newsトーハクよもやま

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posted by 金井裕子(平常展調整室主任研究員) at 2019年12月11日 (水)

 

特別展「国宝 東寺」30万人達成!

特別展「国宝 東寺-空海と仏像曼荼羅」(3月26日(火)~6月2日(日))は、5月16日(木)午前、来場者30万人を突破しました。多くのお客様にお運びいただきましたこと、心より御礼申し上げます。

記念すべき30万人目のお客様は、千葉県千葉市からお越しの川本紘子さん。川本さんには記念品として、本展図録とトートバッグ、クリアファイルなど、本展オリジナルグッズを贈呈しました。


特別展「国宝 東寺」30万人セレモニー
右から、当館館長の銭谷眞美、川本さん、そしてトーハクくんもお祝いに駆けつけました!


川本さんは日本史がお好きで、日本美術の展覧会をよく見に行かれるとのこと。
「3月末に東寺に行こうと思っていたのですが、ちょうど東京で展覧会が開かれることを知りました。この展覧会で、仏像曼荼羅を見るのがとても楽しみです」とお話しくださいました。

沖松研究員のブログにも書かれていた重要文化財 両界曼荼羅図(元禄本)胎蔵界は、5月19日(日) まで展示中です。5月21日(火)から6月2日(日)までは金剛界が展示されます。どうぞお見逃しなく!

カテゴリ:news2019年度の特別展

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posted by 小島佳(広報室) at 2019年05月16日 (木)

 

世界の国からこんにちは―北米・欧州ミュージアム日本美術専門家連携・交流事業レポート

調査研究課の今井です。去る1月15日から19日まで開催された「北米・欧州ミュージアム日本美術専門家連携・交流事業」をレポートします。
当事業はアメリカ、カナダおよびヨーロッパのミュージアムの日本美術専門家を日本にお招きし、各館が抱える課題の共有と情報交換、そして人的ネットワークの構築を目的とするもので、今年で5回目になります。




初日は東京国立博物館にてまず、反物に見立てた細長い和紙をきものの形に仕立て、きものの構造を学ぶワークショップ、そしてきものの畳み方、桐箱の扱い方の実習をしたのち、東京文化財研究所にて同研究所の歴史と役割について学びました。




2日目と3日目は、金沢へエクスカーションです。
石川県立美術館の文化財修理所の見学、金沢能楽美術館での能楽体験、加賀友禅の工房の見学など盛りだくさんです。
もちろん兼六園も訪れました。




4日目は再び東京に戻り、国際シンポジウム「世界の中の日本美術―オリエンタリズム・オクシデンタリズムを超えた日本理解―」です。
ずいぶん難解なテーマですね(私が考えたのですが)。
平たく言えば、誤解や偏見、あるいは単なる自己賛美に陥らずに、どのように日本美術を伝えるかということです。
海外から4名、そして私が発表し、パネルディスカッションが行われました。



内容は大変刺激的なものでした。
たとえば、「トランスカルチャー研究」という概念が提示されました。
これは、従来形の異文化研究「インターカルチャー」では、異文化間の勢力の構図を克服できないという反省にたち、異文化との遭遇を通して対話と解釈を継続的に行うことにより、複数の文化の間で共有される経験と価値観に着目する視点です。


最終日は専門家会議とフィードバックセッションです。
午前中の専門家会議では、外国人来館者の増加に対応するための多言語での解説パネルのあり方などについて討議されました。
午後のフィードバックセッションでは、「もっと多くの人に発言の機会を与えるべきだ」「アジアのミュージアムの代表も加えるべきだ」といった、前向きの発言が多く聞かれました。
本事業の参加者の間で、所蔵する日本美術作品の共同調査の計画もさっそく持ち上がっていると聞いています。


国外の日本美術研究者との交流が深まり、また日本人自身が日本美術について深く考える機会となった有意義な5日間でした。
 

カテゴリ:news

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posted by 今井敦(調査研究課長) at 2019年02月15日 (金)

 

特別展「顔真卿 王羲之を超えた名筆」10万人達成!

特別展「顔真卿 王羲之を超えた名筆」(1月16日〈水〉~2月24日〈日〉、平成館)は、2月8日(金)、10万人目のお客様をお迎えしました。
ご来場いただいた皆様に、心より御礼申し上げます。

10万人目のお客様は、倉持英樹さん。本日は奥様の育美さんとご一緒に来館されました。

倉持英樹さんには、当館館長 銭谷眞美より、記念品として特別展図録と本展オリジナルトートバッグを贈呈。
贈呈式には当館広報大使トーハクくんも登場! セレモニーを盛り上げました。


左から倉持英樹さん、倉持育美さん、トーハクくん、当館館長 銭谷眞美

倉持さんは万年筆がお好きでよく字をお書きになるとのことで、特に「祭姪文稿」をご覧になりたいとお話しくださいました。
また、「王羲之が優れていると思っていたが、タイトルにある『王羲之を超えた名筆』を確認したい」という倉持さん、当館には二度目の来館で、奥様とは博物館・美術館によく一緒にお出かけされるとのことです。
ありがとうございます。

特別展「顔真卿 王羲之を超えた名筆」は、本日も多くのお客様にお越しいただいており、残すところ2週間あまりとなりました。

皆様のご来館を心よりお待ちいたしております。

カテゴリ:news2018年度の特別展

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posted by 柳澤想(広報室) at 2019年02月08日 (金)

 

2019年 新年のご挨拶

2019年、平成最後のお正月を迎え、つつしんでお慶び申し上げます。

今年もトーハクは2日から開館、恒例の新春企画「博物館で初もうで」を開催いたします。

今年の干支は、十二支の最後、亥(い)、イノシシです。イノシシは、日本全国多くの地域に生息している身近な動物でした。イノシシは、多産であることなどから豊穣を象徴する存在であり、また「猪突猛進」という言葉があるように、前に突き進む猛烈な勢いがイメージされます。お正月の特集は、「イノシシ  勢いのある年に」と題し、「イノシシ」をモチーフにした作品を集めた展示としました。「イノシシ」にあやかって、本年が勢いのある一年になれば、と思います。
正月2日と3日には、和太鼓・獅子舞などのイベント、生け花飾りなど華やかに年の初めを演出します。トーハクで新年をキックオフしていただければ幸いです。

オリンピック・パラリンピック開催を翌年に控え、トーハクは、新年1月16日より特別展「顔真卿 王羲之を超えた名筆」(~2月24日)を平成館で開催します。春は、本館で特別展 御即位30年記念「両陛下と文化交流―日本美を伝える―」および特別展「美を紡ぐ 日本美術の名品―雪舟、永徳から光琳、北斎まで―」、平成館では、特別展「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」、を開催します。夏には特別展「三国志」、そして秋は本館で、住友財団修復助成30周年記念特別企画「文化財よ、永遠に」など多様な展覧会を予定しています。

総合文化展では、「顔真卿」展に合わせて恒例の台東区との連携企画「王羲之書法の残影―唐時代への道程―」が開幕します。また、春の庭園開放期間を長めにし、5月19日(日)まで庭園散策をお楽しみいただけます。さらに、春の「博物館でお花見を」、夏休みの教育普及企画、秋の「博物館でアジアの旅」など、今年も時季にかなったさまざまな展示・催しものを行います。

一方、来るオリンピック・イヤーに備え、本館の施設改修を進めるとともに、海外からの来館者もより深くお楽しみいただけるよう、多言語での解説の充実を図るなどサービスの向上に努めて参ります。

2019年が皆さまにとりまして楽しいことの多い良き年となりますよう、またトーハクで楽しい思い出をたくさんつくっていただけますよう、心よりお祈り申し上げます。


館長 銭谷眞美
「唐獅子」(個人蔵)の前で、トーハクくんとユリノキちゃんと共に

カテゴリ:news

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posted by 銭谷眞美(館長) at 2019年01月01日 (火)