本日、特別展「上海博物館 中国絵画の至宝」が開幕しました!

一級文物(日本でいう国宝)が18件、全40件もの作品が、ついに日本まで来てくれました!
上海博物館とトーハクの深い交流があって実現した展覧会。こんなにたくさんの一級文物を貸し出してくださって、関係者一同感無量です。
ご尽力いただいた皆様に心から感謝いたします。
本日の開幕に先立ち、昨日は報道関係者向けの内覧会が行われました。

展示室に入ると、そこは中国文人の世界。じっと向き合っていると、その深い精神性がしみじみと伝わってきます。
報道の皆様も食い入るようにみていらっしゃいました。

真剣に見ていらっしゃいますね。どの作品かというと…

一級文物 煙江畳嶂図巻 (えんこうじょうしょうずかん)
王詵(おうしん)筆 北宋時代・11~12世紀 上海博物館蔵 展示期間:10月1日(火)~10月27日(日)
美しい水の流れと山々がとおく霞の向こうにひろがり、よく見るとその中に小さく4人の人物が描かれています。
どこにいるのでしょうか?本当に細かく、ふんわりと幻想的に描かれているので、見逃さないでくださいね。
さて、こちらの方々がご覧になっているのは…

一級文物 琴高乗鯉図軸
李在筆 明時代・15世紀 上海博物館蔵
国宝 秋冬山水図 雪舟等楊筆 室町時代・15世紀末~16世紀初 東京国立博物館蔵(2014年1月28日(火)~2月23日(日)まで本館2室にて展示予定)の作者、雪舟が師事した李在の名品。
名品が生まれるルーツは、中国にあったのですね。
また、展覧会担当の塚本研究員による熱いギャラリートークも行われました。

ギャラリートークの様子。 マイクをもっているのが塚本研究員。
ちなみに塚本研究員のトークは、10月12日(土)の講演会、11月8日(金)のリレートークだけでなく、音声ガイドでもお聞きいただけます。
担当者ならではの深い愛情が伝わってくる、分かりやすい音声ガイドです。ぜひ聞いてみてください。

このあと開会式・内覧会も行われ、上海博物館の皆様をはじめ、多くのご来賓やお客様が来館されました。

手前から3番目に上海博物館副館長 李仲謀氏、その隣に東京国立博物館長 銭谷眞美。
江戸時代の日本の文人たちも憧れた中国文人画。
当時の日本には、その正統派とされる作品が存在しなかったため、彼らは本物を見ることが出来ませんでした。切ない…
しかしいま、その名品中の名品がトーハクに来ています。日本人が憧れ続け、日本絵画のルーツともなった中国絵画を、ぜひその目で確かめてみてください。
今後、当ブログにて特別展「上海博物館 中国絵画の至宝」の見どころについて研究員がご紹介してまいります。
どうぞおたのしみに!
カテゴリ:news、2013年度の特別展、展示環境・たてもの
| 記事URL |
posted by 小島佳(広報室) at 2013年10月01日 (火)
9月28日(土)は夜8時まで開館し、さまざまなイベントを開催します!
9月28日(土)は、「秋の特別公開」の終盤を飾る、スペシャルイベントデーです。講演会やコンサートなどのイベントが目白押し! 秋の一日を博物館でのんびり過ごしてみませんか。
まずは、トーハク収蔵品のなかでも特に人気の高い、酒井抱一筆の夏秋草図屏風をじっくり鑑賞。驟雨(しゅうう)に打たれる夏草と、野分に吹き流される秋草を描いた抱一の最高傑作です(9月29日(日)まで本館7室に展示)。
15時からは平成館大講堂にて講演会「酒井抱一筆『夏秋草図屏風』の魅力」(講師:当館研究員 本田光子)も開催します(当日先着380名)。奮ってご参加ください。
関連グッズも本館ミュージアムショップ特設コーナーに多数取り揃えました!

芸術の秋にちなんだ音楽イベントも続々開催します。
Music Weeks in TOKYO 2013 まちなかコンサートをトーハクで開催!フルートとハープのコンサートを、表慶館エントランスホールで11:00~、13:30~の2回開催します(フルート:上野由恵、ハープ:平野花子、各回先着100名)。
クラシックの優雅な調べをお楽しみください。
夕方からは、東洋館リニューアルオープンを記念して、ジャワガムラングループ ランバンサリによるガムランと舞踊(小島夕季)のコンサートを、平成館ラウンジで16:30~、18:30~の2回開催します(各回先着200名)。
青銅製の打楽器が奏でる、インドの伝統音楽 ガムランの調べとともに、幻想的なアジアの夜をお過ごしください。公演後は、ガムランの演奏体験もできます。

参考イメージ(写真:古屋均)
東洋館エントランス前では、アジアンビアガーデンを開催! インドネシアビールをはじめ、上海ヤキソバやエビチリ春巻きなど、アジアンテイストのメニューも揃えて、皆様のご来店をお待ちしています。大人気の「一番搾り フローズン<生>」もあります!
ソフトドリンクもご用意しておりますので、ご家族でお楽しみいただけます。
※ビアガーデンは15時開店、ラストオーダー 19:20 (雨天中止)
作品を鑑賞し、音楽に触れ、アジアンビールに酔う秋の一日。
皆様のお越しをお待ちしております!
| 記事URL |
posted by 長澤由美子(総務課) at 2013年09月26日 (木)
Free admission for foreign student!! 9/21(土)は「留学生の日」!
9/21(土)は、毎年恒例「留学生の日」です。
トーハクでは、日本で学ぶ外国人留学生の皆さんに、日本の文化や伝統に触れ、理解を深める場として利用していただくために、毎年秋に「留学生の日」を設け、留学生とその同行者の方は、総合文化展観覧料金を無料としています。

今年のポスター・チラシはコチラ。4カ国でしつこいほどに「留学生無料!」。
当日は観覧料が無料となる他にも留学生を対象としたさまざまなイベントを実施!
とくに応挙館でのお茶会は、配布開始後すぐに整理券がなくなるほどの大人気となっています。

お茶会で日本文化を体験!
また、ボランティアによる「日本美術の流れ」英語ガイド(10:00~11:00、15:00~16:00、本館2階 1、3、4、5・6、10室)も、大変わかりやすいと好評です。

英語ガイドの様子。お気軽に声をおかけください。
当日のイベントの詳細は留学生の日のページをご覧ください。当日の館内案内マップもダウンロードできます。
さらに!
今年はなんと、「留学生の日」が「秋の特別公開」の期間と重なっている大チャンス!
トーハクが誇る大人気のアレや、この機会を逃すと次はいつ見られるかわからないアレも、全部無料で見られる大変おトクな機会です。
留学生の方自身はもちろん、ご友人・お知り合いに留学生がいらっしゃる方はチャンス到来!
皆様、お誘い合わせの上、ぜひぜひご一緒にご来館ください。
| 記事URL |
posted by 田村淳朗(広報室) at 2013年09月19日 (木)
本日、9月4日(水)、黒田記念館別館に上島珈琲店がオープンしました。

黒田記念館の建物とマッチしたレンガの外観。入口は2か所あります。

1階はカウンター席と、春は桜、秋は紅葉も楽しめるテラス席があります。

和風レトロな内装の2階は38席。ゆっくりおくつろぎいただけます。

おススメメニューの黒糖ミルク珈琲 Mサイズ(¥390(税込))は、
すっきりとした甘さの中に珈琲が香ります。

店内では、黒田清輝グッズも販売中です。
平日は20時まで、土日祝日は19時まで営業しています。
トーハク観覧のあとに、ぜひご利用ください。
(上島珈琲店利用のための一時退館、再入館はできません。ご了承ください。)
| 営業時間 | 平日 7:30~20:00 |
| 土日祝 8:00~19:00 | |
| 定休日 | 不定休 |
| 全47席 | 全席禁煙 |
カテゴリ:news
| 記事URL |
posted by 奥田 緑(広報室) at 2013年09月04日 (水)
トーハクでは今秋、特別展「上海博物館 中国絵画の至宝」(2013年10月1日(火)~11月24日(日)東洋館8室)を開催します。
2013年8月20日(火)に報道発表会を行いました。

本展覧会担当研究員、塚本麿充より展覧会の構成と見どころを解説いたしました。

塚本麿充 東洋室研究員
一級文物18件!中国絵画史に燦然と輝く名品きたる!
中国でも最大規模の収蔵を誇る上海博物館。
そのなかから、一級文物18件をふくむ40件もの名品によって、中国絵画の流れをご紹介します。

一級文物 煙江叠嶂図巻(えんこうじょうしょうずかん)(部分)
王詵(おうしん)筆 北宋時代・11~12世紀
展示期間:10月1日(火)~10月27日(日)
この作品は、文人画家・王詵の現存唯一の作品。そもそも北宋時代の絵画は、数が少なくて大変貴重なのだそうです。
美しい淡彩で書かれた岩山が、水上に幻想的に浮かび上がる山水画です。
この雄大な景色に溶け込むように、人間が8人描かれています。

山水画版「ウォーリーをさがせ!」のようで、見つけると嬉しくなってしまいます。小さいですが、ぜひ会場で見てみてくださいね。
日本人が見ることがなかった「正統文人画」
中国絵画は、日本でも古くから蒐集され、愛好されてきました。室町幕府8代将軍・足利義政によって収集された「東山御物」が有名です。
しかし、中国で「正統絵画」と言われている王道の作品は、実は日本ではほとんど所蔵されていないのをご存知でしょうか。
トーハクでも中国絵画の名品を所蔵していますが、それらは中国絵画史上「非正統絵画」と呼ばれている作品です。
(「正統文人画」の意味や、誰が正統だと決めたのかなど、詳細は後日、本1089ブログにてご説明する予定です。)

一級文物 漁荘秋霽図軸(ぎょそうしゅうせいずじく)
倪瓚(げいさん)筆 元時代・1355年 上海博物館蔵
展示期間:10月1日(火)~10月27日(日)
元代を代表する文人画家・倪瓚の作品です。
すっきりとした筆墨によって描き出された無人の山水画。のちの中国絵画の規範になったのだそうです。
でも…、ただ枯れ木が描かれているだけのようにも見える…。
いえいえ!これこそが文人の心の風景、中国人の原風景といっても過言ではないのです!
ここに描かれた人生の機微を、ぜひその目でお確かめください。
正統だけじゃない!中国絵画1000年の歴史!

山陰道上図巻(さんいんどうじょうずかん)(部分)
呉彬(ごひん)筆 明時代・1608年 上海博物館蔵
うねうねと波打つような山のかたち。怪奇的で、なんだか夢に出て来そうです。
明代末期になると、正統派に背を向けた異端の画家たちが現れます。これらの個性的な画家は、奇想派(エキセントリックスクール)と呼ばれました。
当時の人々もきっとこの絵に驚いたことでしょう。しかし奇想派は、日本ではあまり注目を浴びることがありませんでした。
本展覧会ではこのようなラインにも注目し、今まで知らなかった中国絵画の歴史を初めてご覧にいれます。
中国の五代・北宋から明清にいたる中国絵画の系譜。
その歴史を、これまでにない新たな視点も交えて名品で辿ります。
東京国立博物館と上海博物館の長年の友好が生んだ奇跡の展覧会に、ぜひご期待ください。
作品紹介やイベント情報など、今後も1089ブログでご紹介していきます。どうぞお楽しみに。
カテゴリ:研究員のイチオシ、news、2013年度の特別展、展示環境・たてもの
| 記事URL |
posted by 小島佳(広報室) at 2013年08月22日 (木)