このページの本文へ移動

国宝 松林図屏風

  • 『国宝 松林図屏風(部分)長谷川等伯筆 安土桃山時代・16世紀』の画像

    国宝 松林図屏風(部分)
    長谷川等伯筆 安土桃山時代・16世紀

    本館 2室
    2025年1月2日(木) ~ 2025年1月13日(月・祝)

    白い和紙の上に墨の濃淡だけで、風と光の情景が描き出されています。画面に近づいて松の葉をみると、その激しい筆勢に押されて、後ずさりするくらいです。松を描く筆は、穂先をいくつも重ねたもの、竹の先を細かく砕いたもの、あるいは藁(わら)を束ねたものを使ったと考えられており、明らかではありません。繊細でありながら迷いなく筆を進め、一気に線を引いていることが見てとれます。離れてみると、松の幹はまるで能を舞うかのように風に揺られています。

    四つほどの大きなグループに描かれた松林は、木々の間を風が通り抜けるように配置されています。そして、墨のグラデーションによって光の強弱をあらわして、霧に包まれた松林を生み出しているのです。

    さまざまな工夫と技法によってあらわされたこの松林には、霧の晴れ間から柔らかな光が差し込んで、遠く雪山がのぞき、冷たく湿った空気が漂います。艶(つや)やかな墨の色と相まって、風の流れや森の清清しい香りまで実感できるでしょう。

    等伯は松林という日本の伝統的なモティーフを、中国絵画から学んだ水墨表現によって描き出し、日本の風土の豊かな形象をみごとにあらわしているのです。

     

本館2室(国宝室)に募金箱を設置しています。

令和6年能登半島地震・令和6年奥能登豪雨被害への募金実施について

令和6年能登半島地震・令和6年奥能登豪雨被害により被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。
国宝「松林図屛風」の作者である長谷川等伯は、能登半島にある七尾で生まれました。描かれた松林は、能登の大地に根をおろす松の木々を思い起こさせます。
東京国立博物館では、能登にゆかりのある絵師の作品を展示するにあたりまして、この地震および豪雨により甚大な被害が生じている被災地救援のため、募金活動を実施いたします。

令和6年能登半島地震・令和6年奥能登豪雨被害への募金実施についての詳細に移動

 

ご寄附のお願い

能登復興支援事業について皆様からのご支援を賜りたくお願い申し上げます。

「博物館事業への寄附について」ページに移動します。申込フォームより「能登復興支援事業のため」をご選択ください。

プレスリリース:令和6年能登半島地震・令和6年奥能登豪雨復興支援事業「ひと、能登、アート。」 文化財(アート)がつなぐ。Art for the Noto Peninsula

 

 

VR作品『国宝 松林図屛風-乱世を生きた絵師・等伯-』

戦国武将が天下を夢みて挑んだように、絵筆によって新しい時代を切り拓こうと挑んだ長谷川等伯。
日本水墨画の最高傑作とも称される「松林図屛風」の魅力と謎に迫る。

場所:TNM & TOPPAN ミュージアムシアター
上演期間:2025年1月2日(木)~2025年4月20日(日)

VR作品の詳細へ移動