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博物館に初もうで 兎にも角にもうさぎ年

  • 『染付水葵に兎図大皿伊万里 江戸時代・19世紀 平野耕輔氏寄贈』の画像

    染付水葵に兎図大皿
    伊万里 江戸時代・19世紀 平野耕輔氏寄贈

    平成館 企画展示室
    2023年1月2日(月・休) ~ 2023年1月29日(日)

    早いもので令和も5年目を迎えました。令和5年は癸卯の年、うさぎ年に当たります。今日ペットとして人気のうさぎは、古くから愛玩動物として、あるいは狩猟の対象として、人間にとって身近な存在でした。そもそもうさぎには野兎と飼兎の2種があり、現在ペットとして主流の飼兎は、室町時代の終わりにヨーロッパから南蛮貿易を通じて日本に伝えられたとされます。一方の野兎は、もともと生息していたその土地のうさぎで、近代以前の造形作品に表わされているのは、多くがこちらです。

    この特集では、日本を中心とした東アジアのうさぎたちに5つのテーマから迫り、造形作品を通じて人とうさぎが紡いできた豊かな関係を探ってみたいと思います。さまざまなしぐさやかたちのうさぎをお楽しみいただき、新たな年の門出としていただければ幸いです。

    兎にも角にもうさぎ年。うさぎに角はありませんので、角を立てないで、ぴょんと飛躍の年となりますよう、お祈り申し上げます。

     

    担当研究員の一言

    卯年にあたり、うさぎに関係する作品を集めました。会場には、かわいらしいうさぎもいればちょっとふてぶてしいうさぎもいます。それぞれの作品ごとに、うさぎに与えられた意味があり、作られた経緯や背景があります。まずは楽しくうさぎをご覧いただき、鑑賞のヒントを展示に散りばめておりますので、この機会に昔作られたうさぎについて思いを馳せていただければ幸いです。卯年の今年からうさぎを見る目が少し変わりましたら担当者としてはうれしく思います。/清水健

主な出品作品

かくうさぎ

ここでは兎に角、うさぎを表わした造形作品をご覧いただきます。
主要なモチーフとして表わされたり、うさぎそのままのかたちで表わされたり、ときには変形して器のかたちに表わされたり。
さまざまに工夫されたいろいろな姿のうさぎたちをお楽しみください。今年の主役は、兎に角うさぎです。


博物館獣譜 博物局編 明治時代・19世紀

 

月のうさぎ

月にうさぎが住むという伝承は、古代の中国で生まれ、日本を含む東アジアに広まりました。
月には桂の木が生えていて、ヒキガエルとうさぎが住むと考えられ、月を表現する際にはそれらが象徴として表わされました。そして時代が下ると月はうさぎを彩る景物となっていくのです。


月宮八稜鏡 中国 唐時代・8世紀

 

波に乗るうさぎ

日本では室町時代以降、江戸時代を中心に、うさぎが波に乗る姿が好んで造形化されました。謡曲の詞章がもとになっているといわれています。
月のうさぎが展開し、月影が白く水面に浮かぶさまを、うさぎが波の上を走る姿に擬えたのでしょう。そしてうさぎは火災を防ぐ火伏せの象徴ともなるのです。


火事装束 紺麻地波兎雨龍模様 江戸時代・19世紀 アンリー夫人寄贈

 

うさぎはどこだ

工芸品や絵画には、うさぎが意外な位置に隠れていたり、一見どこにいるのかわかりづらかったりするものもあります。着物や器物の意匠のなかにも、箱の蓋裏などにも。
さあ、じっくりと目を凝らしてご覧ください。ご一緒に「どこだ、どこだ」と、うさぎ探しをいたしましょう。

 

豆兎蒔絵螺鈿硯箱 伝永田友治作 江戸時代・19世紀

 

うさぎと人と

うさぎと人との関係は古く、紀元前3世紀頃には十二支の「卯」にうさぎが割り当てられました。ときには擬人化されたり、その毛(兎毫)で筆が作られたり。
うさぎは人びとの営みのなかでさまざまに取り上げられ、豊かな関係を紡いできたのです。


吉例 兎の年礼噺 蓮池堂画 明治5年(1872)

 

 

パンフレット

特集 博物館に初もうで 兔にも角にもうさぎ年 リーフレットの表紙画像

博物館に初もうで 兎にも角にもうさぎ年

会期中、平成館インフォメーションにて配布しています。
(注)なくなり次第、配布は終了します。
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