唐織 紅茶浅葱段青海波柴束蘺秋草模様 上杉家伝来 江戸時代・18世紀
本館 9室
2020年10月20日(火) ~ 2020年12月20日(日)
能「紅葉狩」は鬼神が美しい女性に変化して登場する鬼退治物です。舞台は、信濃の戸隠山(とがくしやま)。平安末期の武将・平維茂(たいらのこれもち)とその従者たちが鹿狩に赴く場面から始まります。狩の途中、維茂らは、紅葉狩を楽しんでいる女性たちの一行に出会い、美しい女性たちに誘われるままに、酒宴に加わると、上臈(じょうろう)と名乗る高貴な女性が優美に舞い始めます。杯を手に、その美しい舞を眺めているうちに、維茂とその一行は眠りに落ちてしまいました。すると上臈の舞は怪しげでテンポが速く激しい急の舞に変化し、どこかへと姿を消すところで前場が終わります。舞台の見所は、前場と後場で急変する上臈の姿。前場では高貴な若い女性の愛らしさを持つ「小面(こおもて)」面をつけ、王朝風の模様をあしらった華麗な唐織を着た上臈が、後場では、目を釣り上げて口の裂けた「顰(しかみ)」面をつけ、赤い髪を振り乱した姿で現れます。美しい上臈は、実は人を食らう鬼女だったのです。石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)の末社の神から授かった太刀を手に維茂は、格闘の末、ついに鬼女を退治します。
秋の季節に能舞台にかかることも多い「紅葉狩」。能面と能装束が示す役柄についてご覧いただいたご縁で、実際の舞台にもお出かけになってはいかがでしょうか。
指定 | 名称 | 員数 | 作者・出土・伝来 | 時代・年代世紀 | 所蔵者・寄贈者・列品番号 | 備考 | |
唐織 紅白段竹菊模様 | 1領 | 江戸時代・18世紀 | I-3639 | ||||
唐織 紅地蔦唐草模様 | 1領 | 江戸時代・18世紀 | I-3199 | ||||
能面 小面 | 1面 | 「永井恒澄」銘 上杉家伝来 | 江戸時代・17~18世紀 | C-1483 | |||
おすすめ | 唐織 紅茶浅葱段青海波柴束蘺秋草模様 | 1領 | 上杉家伝来 | 江戸時代・18世紀 | I-2863 | ||
能面 顰 | 1面 | 「元休打」朱書 | 江戸時代・17~18世紀 | C-129 | |||
摺箔 淡浅葱地鱗模様 | 1領 | 江戸時代・18世紀 | I-2875 | ||||
紅大口 | 1腰 | 江戸時代・18世紀 | I-2850 | ||||
長絹 濃萌黄地桐折枝模様 | 1領 | 江戸時代・18世紀 | 文化庁蔵 | ||||
おすすめ | 縫箔 白地霞秋草模様 | 1領 | 江戸時代・18世紀 | 文化庁蔵 |