あす3月14日(火)より、春の恒例企画「博物館でお花見を」(~4月9日(日))、「春の庭園開放」(~5月7日(日))が始まります。

今年の東京の桜は、3月22日(水)頃の開花、満開は3月31日(金)頃との開花予想が出ています。
会期中の3月21日(火)以外は開館し、3月31日(金)、4月1日(土)、4月7日(金)、4月8日(土)は庭園ライトアップ(19時30分まで)を行います。
満開の時期に庭園の桜をゆっくりとお楽しみいただけそうですね。

昨年の庭園ライトアップの様子
また、4月11日(火)から開催の特別展「茶の湯」に関連し、庭園開放期間を5月7日(日)まで延長!
小堀遠州ゆかりの茶室「転合庵」を特別に公開。茶室に入ることはできませんが、外からご覧いただけます。
いつもより長い期間の庭園開放となりますので、例年はご覧いただくチャンスがなかった遅咲きのカンザンやケンロクエンキクザクラもお楽しみいただけることでしょう。
庭園入口で配布しているマップを見ながら、ぜひ探してみてください。

左:カンザン 右:ケンロクエンキクザクラ
「博物館でお花見を」では、桜をモチーフにした作品の展示のほか、鑑賞ガイドやギャラリートーク、ぬりえワークショップ、コンサートなど、当日参加可能なイベントをご用意しています。

国宝 花下遊楽図屛風(部分) 狩野長信筆 江戸時代・17世紀
2017年3月14日(火)~4月9日(日)、本館2室(国宝室)にて展示
その他の作品は、本館桜めぐりのページでご紹介しています。
桜ワークショップ「春らんまん 桜ぬりえ」
2017年3月23日(木) ~ 2017年3月26日(日)
11:00 ~ 16:00 本館2階ラウンジ

桜の街の音楽会 チェロ・ソロ 林はるか(チェロ)
2017年3月31日(金) 13:00 ~ 13:20
本館大階段

昨年のヴァイオリンコンサートより
桜の街の音楽会 ヴァイオリンとヴィオラのデュオ 佐藤恵梨奈(ヴァイオリン)& 樹神有紀(ヴィオラ)
2017年4月3日(月) 13:00 ~ 13:20
法隆寺宝物館エントランス
その他のイベントは、イベントカレンダーをご覧ください。
もちろん、恒例のスタンプラリー(チラシ見開きページの右端がスタンプラリーの台紙)も実施します!
今年もトーハクくんの限定デザインバッジが登場! 隠れたコレクターズアイテムとして人気のバッジをぜひゲットしてください。
※お好きな方をお選びいただけますが、限定デザインバッジが一日の配布予定数に達すると、「花よりだんご」バージョンのみになります。

トーハクくんとユリノキちゃんも、4月1日(土)に登場します。
登場予定時間は、11時~、13時~、15時~、いずれも本館前、各30分程度です。
このほかにも、気まぐれに登場するかもしれません。トーハクのTwitter、Facebookでお知らせしますので、随時チェックしてください。
ぜひ、ふたりと一緒に満開の桜をお楽しみください。

今年も多くの皆様のご来館をお待ちしています!
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posted by 奥田 緑(広報室) at 2017年03月13日 (月)
博物館教育課の小林です。
この週末に開催されるトーハク初のアイデアソンを担当しております。

今日は、そもそも
「アイデアソンってなんだ?」
という方のために、本ブログにて事前に説明させていただきます。
アイデアソン(Ideathon)とは、アイデアIdea と マラソンMarathon を合わせた造語です。
ある特定のテーマについて、さまざまな分野から興味のある人が集まり、グループごとにディスカッションをしてアイデアを出し合い、それをかたちにしていくイベントです。
できたアイデアはグループごとに発表を行い、そのなかから最も優れたものを選びます。
アイデアだけではなく実際にプログラム作成やシステム開発まで行うハッカソン(Hackathon)(ハックHackとマラソンMarathonの造語)と並んで、2000年前後あたりからICT関連の企業で盛んに行われるようになったイベントですが、最近はさまざまなジャンルで、また企業だけでなく自治体や大学などの教育機関でも開催されるようになりました。
ここまでえらそうに説明をしてきましたが、かくいう私も実は「アイデアソン」というコトバをつい最近知ったばかり。
そんな私が、トーハクでもぜひやってみたいと思ったのは、さまざまな立場の人々の価値観や、私たちはまだまだ知らない技術に触れる貴重な機会になると思ったから。
また、何より自分たちだけではとうてい思いつかないような新しいアイデアが生まれかもしれないと、ワクワクしてしまったからです。
テーマは、トーハクにとって目下最大の課題
外国からのお客さまをどうもてなすか?
新しい技術や手法をどう取り入れるか?
この2つをあわせて
訪日外国人の記憶に残る日本文化体験-ICTは博物館で何ができるか?-
としました。
アイデアソンの参加者を募ったところ、なんと64名もの方にご応募いただきました。
学生、エンジニア、デザイナー、日本文化が大好きな外国人などさまざまな方にエントリーいただきました。書類選考のうえ、当日参加いただくのは、30名のみなさんです。3月11日(土)~12日(日) の午前中まで、5チームに分かれてアイデアを練っていただきます。
そして12日(日) の午後は、各チームの発表、表彰、審査員によるトークショーを平成館大講堂で行います。
大講堂で開催される部分については、どなたでもご参加いただけます。会場のみなさんの投票で決める特別賞も設けています。
3月12日(日)
トーハク×アイデアソン プレゼンテーションとトークショー
12:30~14:15 アイデアソン プレゼンテーション
14:15~14:45 休憩
14:45~14:50 表彰
14:50~16:20 トークショー 「世界にシェアしたくなるトーハク × ニッポン体験」
登壇者
ファシリテーター
佐藤尚之(さとなお)氏(コミュニケーション・ディレクター)
審査員
サッシャ氏(ラジオDJ、フリーアナウンサー)
橋本麻里氏(ライター、エディター、永青文庫副館長)
暦本純一氏(東京大学情報学環教授)
松本伸之(東京国立博物館副館長)
明日のトーハクを変えるようなアイデア、ぜひ聞きにきてください。
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posted by 小林 牧(博物館教育課長) at 2017年03月08日 (水)
特別展「春日大社 千年の至宝」(1月17日(火)~3月12日(日)、平成館)は、2月16日(木)に10万人目のお客様をお迎えしました。
ご来館いただいた多くのお客様に、心より御礼申し上げます。
記念すべき10万人目のお客様となったのは、神奈川県川崎市よりお越しの安河雅人くん。
本日は、お母さんの智子さんと一緒にご来館いただきました。
雅人くんには、当館館長 銭谷眞美より、記念品として展覧会図録と本展オリジナルクリアファイル、展覧会公式マスコットキャラクターのニャデンとチュンのぬいぐるみ(特設ショップで大好評販売中!)を贈呈しました。
贈呈式には当館公式キャラクターのトーハクくんとユリノキちゃんもそろって登場。2人が描かれているオリジナルメモパッドと名刺もプレゼントし、雅人くんも大喜びでした。

特別展「春日大社 千年の至宝」10万人セレモニー
左からユリノキちゃん、雅人くん、智子さん、トーハクくん、銭谷館長
2月16日(木) 平成館エントランスにて
戦国時代に興味があり、お城や刀、甲冑が大好きだという雅人くん。甲冑のミニチュアも持っているそう。今日も、国宝の甲冑4領が揃って展示されているこの週に見に行きたいと、お母さんにお願いして連れてきてもらったとのこと。これから本物の甲冑が見られることをとっても楽しみにしていました。
雅人くんも楽しみにしていた国宝の甲冑4領がそろって見られるのは2月19日(日)まで。皆様、お見逃しなく!
カテゴリ:news、2016年度の特別展
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posted by 武田卓(広報室) at 2017年02月16日 (木)
明治から昭和にかけて活躍した横山大観(1868~1958)は、現在でも高い人気を誇り、「国民的画家」ともいわれています。その大観が、香り立つほどに紅白の梅を華やかに描いています。画面からは春ののどかな陽気が感じられるほどです。

梅図襖 横山大観筆 大正15年(1926) 団体所有

梅図襖(部分)
この襖絵は香淳皇后(昭和天皇の皇后)の父、久邇宮邦彦王(くにのみやくによしおう、1873~1929)が大正13年(1924)に建てた御常御殿(おつねごてん)と呼ばれる建物を飾った襖絵です。御常御殿は、東京都渋谷区広尾にあった旧久邇宮邸に建てられた千鳥破風入母屋造りの日本建築で、一階の居間、寝室の襖絵を大観が担当し、大正15年に完成しました。梅図の裏には隣接する居室の襖絵として、金泥の絵具で松と竹が描かれています。

松図襖 横山大観筆 大正15年(1926) 団体所有 ※こちらは展示されません

竹図襖 横山大観筆 大正15年(1926) 団体所有 ※こちらは展示されません
多くの日本画家たちが制作に参加して、御殿はさながら美術館のように彩られました。これらの襖絵は、昭和5年(1930)の第2回聖徳太子奉讃展覧会で一部が展示されて以来、長らく公開されたことのない大観の力作です。
大観はその長い画業のなかで、さまざまな絵画表現を試みました。明治時代には西洋油画にみられる輪郭線を使わない新たな日本画を描き、そして大正時代には、この襖絵にみられるように江戸時代に興隆した琳派風の画風を取り入れています。横方向に枝が長く伸びる梅の樹は、自然のままの梅のかたちを写しとったものではなく、梅花は型紙であらわした図案のようなものとなっています。このような絵画表現を特徴とした尾形光琳(1658~1716)や酒井抱一(1761~1828)など琳派の絵師たちは、日本古来の「やまと絵」の表現からさらに平面性や装飾性を強調して鳥獣や草花、山水を描いています。大観は琳派の絵画表現を、日本絵画の神髄として蘇らせているのです。
この襖絵が描かれた時期には、大観の代表作といわれる作品が集中していますが、この梅図襖もそれらの一つといえます。また大画面の作品として、大観は屏風形式の作品を数多く手がけていますが、襖絵の作例はほとんどありません。

左から、水芭蕉 小川芋銭筆、紅梅 荒井寛方筆、椿 北野恒富筆、牡丹に雀 下村観山筆 すべて聖心女子大学蔵
旧久邇宮邸の敷地は、戦後に聖心女子大学のキャンパスとなり、御常御殿は大学によって管理されていて「パレス」と呼ばれています。今回の展示には御殿にそのまま残った天井画も合わせて展示される、またとない機会です。87年ぶりに広く公開される知られざる大観の大作をぜひご覧ください。
展示情報
近代の美術(本館18室)
展示期間:2017年1月24日(火)~3月5日(日)
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posted by 松嶋雅人(平常展調整室長) at 2017年01月24日 (火)
1月17日(火)、特別展「春日大社 千年の至宝」がついに開幕しました。
開幕に先立ち、前日に行った開会式と内覧会にも多くのお客様にご出席いただきました。なお、開会式には御来賓として高円宮妃久子殿下にお越しいただきました。

開会式には、多くのお客様にご出席いただきました
春日大社では、「式年造替」と呼ばれる社殿の建て替えや修繕が約20年に一度行われ、昨年、第60回目を迎えました。本展はこの大きな節目に開催する、かつてない規模の展覧会。国宝・重要文化財100件以上を含む、春日大社の「至宝」がトーハクに一堂に会します(会期中展示替あり)。
展覧会は6章構成。
第1章は・・・、奈良といえば鹿。春日大社と鹿は切っても切れない関係にあります。第1章では神々しくも親しみにあふれる「神鹿(しんろく)」にスポットを当てます。

まずは奈良公園の鹿がお出迎え
第2章は神々の調度品として奉納された古神宝類。「平安の正倉院」とも呼ばれる、平安工芸の最高峰といわれる国宝の工芸品をご紹介します。

今回の展示の目玉作品の一つ、国宝 金地螺鈿毛抜形太刀(春日大社蔵)(展示期間:1月17日(火)~2月19日(日))
第3章は春日の神々への祈りを表した選りすぐりの名品を、第4章では歴史上の偉人たちが奉納した国宝の甲冑や刀剣をご覧いただきます。

3章、神仏習合を象徴する、重要文化財 文殊菩薩騎獅像および侍者立像(東京国立博物館蔵)(展示期間:通期)

4章、こちらも本展の目玉の一つ、五月人形のモデルになったとも言われる国宝 赤糸威大鎧(梅鶯飾)(春日大社蔵)(展示期間:1月17日(火)~2月19日(日))

4章展示風景、昨今若い女性にも人気の刀剣も多数展示
第5章では、国の重要無形文化財にも指定されている「若宮おん祭」をはじめとする祭礼の際に奉納された舞楽などの芸能にかかわる作品を、最後の第6章では「式年造替」にかかわる資料などをご覧いただきます。なお、第5章では実際の「若宮おん祭」で使用された巨大な鼉太鼓(だだいこ)を展示。ぜひ実際に見てください。きっとその大きさに圧倒されますよ。

実際の春日大社のお祭りでも使われている日本最大級の太鼓、鼉太鼓(春日大社蔵)

昨年の式年造替で撤下され注目を浴びた獅子・狛犬 (春日大社蔵)
なお、今回は春日大社の雰囲気を体感していただくための工夫も随所にございます。まず第1章と第2章の間には、普段は拝観できない本殿の第2殿をほぼ実物大で再現。上野にいながら春日詣を体感していただけます。

本殿の第2殿を再現。御殿の間の壁にある「御間塀」は、昨年の式年造替で撤下されたもの
さらに第4章と第5章の間には、春日大社の回廊沿いにずらりと並んでいる釣燈籠を23基展示。幻想的な空間となっています。こちらは皆さま、なんと撮影も可能!ぜひ、とっておきの1枚を収めてください。

こちらのコーナーは写真撮影OKです!
特別展「春日大社 千年の至宝」、会期は3月12日(日)まで。今回は展覧会全体を駆け足でご紹介しましたが、今後、しっかりと本展の見どころをこのブログでご紹介していきます。どうぞご期待ください!
※撤下…神に捧げられていた道具類が役目を終え、神殿から下ろされること
カテゴリ:news、2016年度の特別展
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posted by 武田卓(広報室) at 2017年01月18日 (水)